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第5話:噂のFランク鑑定士と、王都のざわめき

「ふぅ。ミスリル鉱の納品、無事に終わったね」


王都の冒険者ギルドのカウンター。

俺とフィリアの前に、ギルドの職員がずらりと並べられたミスリル鉱を見て目を見開いている。


「これ……Bランク指定の依頼で採取された量ですよね? しかも、不純物が一切混ざっていない最高品質ばかりだなんて……!」


「そうですね。レイルくんが採取のコツを教えてくれたおかげです」


フィリアが嬉しそうに俺の袖を引く。

ギルド内がざわつき始めた。昨日の「折れた剣の修復」に続き、今回の大量のミスリル鉱納品である。Fランクの鑑定士と組んだ少女が、短期間でこれほどの成果を出したのだ。


「おい、見ろよ。あのFランクのレイルって奴、やっぱり何かあるんじゃないか?」

「黄金の獅子を追い出したっていう噂は本当か?」


周囲の冒険者たちがヒソヒソと噂し合う。

俺自身は目立ちたくないのだが、フィリアの活躍を見れば、嫌でも注目が集まるらしい。


「レイルさん!」


受付の奥から、ギルドマスターが小走りでやってきた。

彼の額には汗が滲んでいる。


「いやはや、素晴らしい成果だ。実はな、王都の騎士団からも『あなたの鑑定スキルについて相談したい』とのお達しが来ておるのだよ。Fランクのままでは扱いに困るのでな、早急にランクアップの試験を受けてもらえんかね?」


「え? ランクアップ、ですか?」


「うむ。お主の技術なら、すぐにでもAランク、いやSランクでも通用する」


ギルドマスターが頭を下げる。

周囲の冒険者たちが「Sランク!?」と一斉に息を呑んだ。


一方その頃――ギルドの片隅

「どういうことだ……! なぜあいつがSランク扱いされているんだ!?」


柱の陰からその様子を見ていた勇者ゼクスの顔が、怒りと焦りで歪んでいた。

黄金の獅子のメンバーは、昨日まで着ていた防具すらもボロボロになり、今や一般の装備品で固めている。それなのに、レイルが関わった途端に周囲の評価がひっくり返ったのだ。


「ゼクス、もう限界よ。私たちの聖剣も、魔導杖も、ただの鉄の塊のままだわ……」


魔導士のミレーヌが泣きそうな声を出す。

彼らは自分たちが手酷く追い出した「無能」こそが、パーティの心臓部だったと、嫌でも認めざるを得なくなっていた。


「こうなったら、力づくでもレイルを連れ戻すしかない! あいつを脅してでも、神級付与をもう一度かけさせるんだ!」


ゼクスが血走った目で剣の柄を握りしめた。

だが、その剣は錆びた鉄塊に過ぎない。


レイルたちの決意

「ランクアップですか……まあ、フィリアが活躍できるなら、考えておきますよ」


俺はギルドマスターに軽く微笑んで答えた。

フィリアも満面の笑みで頷いている。


「レイルくん、ありがとう! 私、レイルくんのサポートがあれば、どこまででも強くなれる気がする!」


「ああ、一緒に頑張ろう。俺たちを必要としてくれる人のために、この力を使っていこうな」


俺の本当の旅は、ここからだ。

ゼクスたちがどうなろうと、もう関係ない。俺たちは自分たちの未来だけを見て、新たな冒険へと踏み出した。

第5話・完

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