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シンデレラにお願い  作者: 高遠 泉
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闇夜に輝く花②

…甘い匂いがしている。

辺り一面の紫色が目の前に広がっている。

…微かに揺れる可憐な紫色の花。

…藤の花?

紫色は高貴な人の色。

藤の花は魔をよけるとか。

つるが右巻きのフジと、左巻きのヤマフジの二種類があるとか・・・。

どうでもいい情報が頭を駆け巡る。

藤の花の花言葉は…「優しさ」「歓迎」…。


目を開けると辺り一面が藤の花で囲まれていた。

頭に近い位置にある紫色の藤の花が一斉に風に揺れる。

さぁぁぁと、風が吹き荒れて紫色の小さな花びらが舞う。

ここは異世界なのに、藤の花はあるんだなと不思議に思いながら一本道を進んでいく。

まるでこちらに来いというばかりに。

歓迎。されているのだろうか。

シャラシャラとまるで藤の花が音楽を奏でているみたいに私の歩みを進めていく。

幻想的な雰囲気にのまれてしまいそうだ。

遠くに少女がいる。

…少し俯き加減のその少女は何故か泣いているようだ。

「…」

「・・・・!!」

何かを涙ながらに訴えているのに、薄れて。

薄れていく!!!!!


**************************************

ういっつううううううううう!!!

い、痛い!いったあぁっ!!!

頭脳がぐらぐらして気持ちが悪い。

何か夢を見ていた気もするけれど、それどころではない。

頭が痛い。

なんだ!これは!

気持ち悪さに口を押さえようとして手が動かない事が解る。

「!!」

ちょっと待って。

頭が痛くて尚且つ気持ちが悪い時。そう、それはくも膜下出血を疑えのサイン!では?!

うそ、私、この異世界で死ぬの?

っていうか何故異世界に来たのか、そもそも異世界の前の自分の情報もあんまりないのに!

あー。

もっとセルフィス隊長の顔、拝んでおけばよかった!

イケメンの顔、拝んでおけばよかったー!!

怒られるのは嫌だけど、最近のセルフィス隊長何故か仲良しだったし。

死ぬなら、せめて役に立ってから死なないと。

よく解らないけど、これって六商ってやつらにさらわれてしまったってやつよね。

とか思っていたら、ガタンガタンと更に身体が揺さぶられる。

地味に痛い。

側に人が居たら怖いので恐る恐る目を開ける。

「!!」

ひっ!!!!

と思ったら、荷物だった。

良かった。

どうやら移動中な様子。

郊外に捨てられるのかな、もしかして。

ただ捨てられるならいいのだけど、ただでは捨てられないよねー。

知ってる。

手が縛られている為、揺れるごとに身体が置かれている荷物や床、壁に当たって地味に痛いのでまずは縛られている手を解放することにした。

どうやって、って、そりゃ魔法ですよ。魔法!

はぁー。魔法万歳!

頭が痛いので白魔法、こちらで言う聖力も使えたらよかったなーと思いながら難なく手に縛られていた紐を熱で燃やしてブチッと切った。

あー。

しんどかった。

精神年齢はもう歳なので、身体を拘束されるのはもう懲り懲りだなぁと思う。

とりあえず、隅っこによる。

どのくらい気を失っていたのかは分からないが、結構なスピードも出ている事から大分遠くへ来てしまった気がする。

頭を摩るとたんこぶが出来ていた。

・・・ちょっと安心。

気持ち悪さも身体を起こした事で大分よくなった。


さて、少し情報を整理したい。

攫われる前にセルフィス隊長とルーカス様から情報を聞いていた。

六商のうち、危険なのは三商。

東の首都と言われ温暖な気候で農作物が豊かな土地のテイオス領。

南東に位置し、氷に覆われている神秘の土地サバト領。

北西に位置し、こちらも今勢力を増している南国の土地、レイアー領。

この中で次世代の子供がいる領を探せばいいのでは?と言ったら、ルーカス様に君はバカかと言われた。

解せない。

だって今回参加しているお嬢様か青年騎士の中から領主の息子か娘を見つけ出し、見張りをそれとなく付ければ、ほおら簡単。

しっぽを出すのを待てばいいだけじゃないか。

しかし、ルーカス様に言わせるとそれではダメなんだそうだ。

どうやら、娘や息子。

沢山いすぎて解らないらしい。

・・・ってなんじゃそりゃ!!

いや、分かることは分かるらしい。

この子はこの領の何とかさんの子。

みたいに。

でも、想像しているより沢山いるのだそうだ。

領主特権だかなんだか知らないが、一夫一妻制ではないらしい。

まぁ、この国に来たばかりだから何だか知らないけれど、領主の嫁にはなりたくないなぁ。なんて事をルーカス様の説明を聞いて漠然と思い、ふと隣に座っている隊長を見ると

どうやら、その目が何かを訴えていた様で。

「違うぞ!俺は!」

と必死に顔を横に振られた。

何が違うんだろうと思ってルーカス様に顔を向けると、ルーカス様までもが

「王子方は領主様ではありませんから、お一人としか結婚できませんよ。

公では」

と頷かれた。

・・・あれ?

今、思いだすと、公では・・・って言ってたって事は、公にはなっていないけれども私的にはやはり愛妾とかがいるのか?

・・・っていかん。

思考がズレまくりだ。

それよりもこの状況、どうにかしなければ。



闇夜にまぎれて今晩ワイン。

仕事が忙しくて更新できぬこの小説、本当に続くのか。

いつか、闇夜にまぎれて今晩ワイン。って小説に書くぞ!と思っています。

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