闇夜に輝く花①
「お前は、この国の王の血を引く者。この世で最も尊い方の血をひいているの。」
野心家で傲慢な俺の母親。
尊いという彼は既に母親を相手になどしていなかった。
いや、元々俺の母など相手にしてはいなかったに違いない。
遊ばれて捨てられた女の末路は見るも無残だ。
父親はこの国の王だと女は言った。
幼い頃は女の言葉を信じて、王が統治する領土へと尋ねて行ったが、女の名前を出しても王に会うことは叶わなかった。
女が他界し、俺は一人になった。
母親だという女が死んでも、俺は悲しくなかった。
何度も言われた俺だけが自分の全てだという言葉にうんざりしていたからだ。
自分では働かず、そのくせ高い身分の暮らしを望む女に。
王子を生んだ私が何故こんな所に住まなければならないのか。
王子を生んだ私が何故、こんな物しか食べられないのか。
女が死んだとき、せいせいしたと思った。
その頃、首都にいる王子の話を聞いた。
3人生まれるという王子。
そうかと思った。
既に3人いる王子を一人殺して、俺が3人目の王子になればいい。
俺も王子なのだから。
ざわりと空気が動いた。
淀んだ空気が自身を包み込む気配を感じたが、それさえも力になるなら良いと思った。
暗闇に身を潜ませていると、暗闇の中からある男が現れた。
そうか。
俺は、やはり、女が言っていた通り、王の子なのだ。
暗闇がまた、ざわりと動いた。




