お茶会開催⑤
♪テンテケテケテケ、テンテン♪
♪テンテケテケテケ、テンテン、ぱふっ♪
大量の食器に囲まれリズムにのりだし、休日という言葉から連想してしまったあの「山田くーん、座布団一枚もってって。」のテーマソングにのって異世界からお送りしております。
なんて、一人実況も何度目だ私。
あー。おこたに入って、ごろごろしながらあの番組が見たい。
そういえば、緑の羽織ものを着た師匠は御健在かしら。
紫との兼ね合いがいいのよね。
それに師匠は番組が出来た当初からのメンバーだ。
今後も活躍して頂きたい。
「さて。」
一通り、食器を洗い終え、後は乾燥である。
「せぃのー!」
座布団をとう!と投げつけるがごとく食器が宙を舞い、乾燥機もどきの機械へと綺麗な放物線を描きながら中へと吸い込まれていく。
魔法ってなんて便利だんだろう。
軽やかに食器が空を舞う。
魔法のおかげで割れない。
食器についた水滴が日の光に煌めいて、宝石のように輝いている。
師匠やら山田くんやらの顔も薄れ、現実の魔法の世界へと思考を戻そうとしたその時。
「お手伝いしましょうか?お嬢様?」
と、突然後ろから声がかかった。
低い声だが妙に通る声に鳥肌が立つ。
「!」
即座に振り返るが、誰もいない。
「…。」
どうでもいいが、あのテーマソングを聞かれていたら恥ずかしい。
「…。」
ぱふってなんだ、ぱふって。
「…。」
いや、そんなどうでもいいことを思っている場合ではない。
…今、確かに後ろから声が聞こえたと思ったのに。
空中でピタリと止まった食器をとりあえず元の位置に戻す。
静まりかえった世界が秒針でさえも長く長く時を打つ。
普段聞こえない、心臓の音がうるさいくらいに聞こえてくる。
気のせい?
いや…。
そんなはずは・・・・。
「!!!」
情けない事に、再び後ろを振り返った私は目の前を塞がれ意識を手放したのだった…。




