【第九話】知るべき真実は2つに1つ。
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~童話に隠された“世界の滅び”の真実とは?少年が辿り着く先に待つものとは何か。誰もが知る物語の、誰も知らない謎を追うファンタジー譚、開幕!~
日も落ち、外が賑やかになってくる。
ノタはまだベッドの上に横たわっていた。
「そういえば、酒場が開くとか言ってたな」
ノタは体を起こし、水晶らしきものを内ポケットにしまおうとする。
水晶を持つ手をしばらく見つめたまま、バッグを手繰り寄せた。
「僕は、この水晶を知らなければならない」
ノタはカバンに水晶を優しく入れた。
カバンを持ち、宿を出ると、昼以上に賑やかな街が広がっていた。
街が店や家の灯りで照らされ、あちこちで露店が開いている。
「これは、凄いな……」
灯りに照らされた顔は輝いていたが、その目には何も映らなかった。
ノタはカバンを掴み、必死に何かから守るように押さえつける。
「安いよぉ! 今日逃すと買えないよ!」
露店の方からの掛け声が耳に響く。
顔をしかめながら、ノタは露店が開かれている通りの方を見る。
「あ……」
これだけの露店があるなら、宝石の露店もきっとあるんじゃないか?
いや、ある。これだけの数なら、宝石店はある。
ノタは一歩、また一歩と露店の方へ足を進める。
どこだ? ――どこにある?
ノタは深い輝きの中へ、自らの足で進んで行く。
「――ここだよ。お兄さん」
ノタが通り過ぎようとした時、露店の店主が、ノタに聞こえるように囁いた。
ノタは急ぎ足だった歩みを止め、その露店の方へ向き直る。
「ここは宝石商なのか?」
豪華な宝石のアクセサリーが街の灯りを反射して、輝きを多様に変化させている。
「そうだよ。君は私に用があるんだろう?」
宝石商の姉さんが、顔をノタの方へ上げる。
その左目には眼帯をして、紫色に光る宝石が埋め込まれていた。
「用はあるが、何故僕が君に用があると分かったんだ?」
ノタは店主へ懐疑的な目線をひしひしと向ける。
「それはね、これのおかげかな。納得してもらえる?」
店主は眼帯の宝石を指差して言った。
「分かった。この水晶が何かを調べて欲しいんだ」
ノタは歯を噛み締め、一息ついた後に、バッグから水晶を取り出した。
「これが水晶? 水晶って普通は光らないんだよ。これは明らかに水晶以外の何かでしょ」
店主が水晶らしきものを鑑定している間、ノタの顔は段々と曇りを落としていった。
「ん――。少年、名前はなんて言うんだい?」
「ノタだ」
「ノタ君。よく聞いてほしい。これは水晶とかいう次元の話じゃない」
店主が言葉を切る。
「これは、封印石だ」
ノタの顔から血が引いて行くのが、目に見えて分かった。




