【第七話】恐怖は知るべきなのか、あるいは
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~童話に隠された“世界の滅び”の真実とは?少年が辿り着く先に待つものとは何か。誰もが知る物語の、誰も知らない謎を追うファンタジー譚、開幕!~
黒いローブを被った、見覚えのある奴が首をかしげている。
「俺は確かに、お前を焼いたと思うんだがよぉ、何故燃えてないんだ?」
ノタは質問を無視し、緩やかに後ずさりする。
「……答えねぇなら、不本意だが、殺すしかねぇな!」
黒いローブの奴が瞬きの間に、目の前に現れた。
「――っ!」
殺される!
首の皮一枚で、鋭い閃光を回避する。
首から垂れる血を、左手で力強く押し当てる。
「……躱せるのか」
ノタの息遣いが荒くなり、鼓動が耳に響いてくる。
透明の汗と赤い鮮血が混ざり、左手にピンク色が染み込んでいく。
――斬り殺される?……知りたい。
二撃目がノタの頬を掠める。
まるで、その攻撃が致命的であることを「知っている」かのように、ノタは体をずらす。
「僕は、この水晶を知っている!」
ノタは緑のローブの上から、水晶に触れる。
「ほんとになんだ? 少年」
ノタの眼光が鋭く、繊細に、相手の瞬きを忘れるほどに見つめる。
三撃目が首元に届くと思ったその瞬間、刃が切り裂いたのは、ただの虚空だった。
「ナイフが!」
ノタの右手から血が滴り落ちる。
「――『多重撃』」
ノタが右足で、黒いローブの奴の腹を蹴り上げる。
足に打撃音が伝わると同時に、もう一つの打撃音が響いた。
「……っ、な」
多重撃の反動が、足に響いている。
多重撃の数だけ、反動の数も多いのだろうか。
ノタは、黒いローブの奴がピクリとも動かないのを確認すると、その場にしゃがみ込んだ。
ノタは、右手で奪い取ったナイフを遠くへ放り投げる。
「悪いけど、その魔石……? は貰っていくよ」
ノタは黒いローブの奴へ駆け寄り、中を探って、赤く微妙に発光する石を見つけた。
ノタは、緑のローブの内ポケットにその石をしまった。
瞬間――
光が辺り一面を、白に塗り潰す。




