【第六話】進む旅路の序章は、真実への序章
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~童話に隠された“世界の滅び”の真実とは?少年が辿り着く先に待つものとは何か。誰もが知る物語の、誰も知らない謎を追うファンタジー譚、開幕!~
あれからノタは、街道沿いを歩き続け、関所の前に来ていた。
そう、フラッド神聖国への関所だった。
巨大な城壁が、侵入者を阻むかのようにどっしり構えている。
大きなアーチの門にある、詰所に向かう。
「はい、要件は?」
詰所の赤い制服を着た衛兵が淡々と問う。
「街道沿いで聖教会の馬車が、何者かに襲われてました」
「なっ!」
衛兵はきょとんとした表情をしたのちに、机の書類を落としながら誰かに知らせに行った。
「すみません、先輩に代わり、私が担当いたします。ご用件は入国ですか?」
先程の衛兵の代わりに出てきたのは、僕とそう変わらないほどの青年だった。
「あぁ、入国を希望するよ」
「では、何か身分を証明するものか、入国を許可するものを提出してください」
僕はバッグの中から、司祭から貰った紹介状を関所の衛兵に渡す。
「これは開封しても構いませんか?」
手紙を一通り見た後、衛兵はレターナイフを片手に問いかけてきた。
「はい、大丈夫です」
衛兵は中の手紙を取り出し、一通り目を通すと、手紙を丁寧に封に戻した。
そして、フラッド神聖国の印鑑を押した。
「確認しました。女神の加護があることを」
衛兵から手紙を受け取ると、その足で城壁の向こう側へ足を踏み入れた。
「ここが、フラッド神聖国」
石畳で整備され、街道の所々に立つ国旗は風になびいていた。
関所は通過したが、街まではもう少しある。
僕はバッグから水筒を取り出し、喉の奥が潤うほど飲む。
周辺の草木も、水も、何も変わらないのに、ここが国境なのか。
「ここも、あの時滅びたのかな……」
僕は振り返り、城壁にかけられた国旗を見つめる。
「ん……?」
今、城壁の上で何か、黒い影のようなものが動いたような気が――。
いや……気のせいか。
瞬間、耳を刺すような爆発音と共に、絶叫が響いてくる。
「少年、さっきぶりだな。ところで、なぜ燃えていないんだ? あ?」




