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【第四話】旅の予感は雄大な景色から

【毎週】火曜日と日曜日【19:30】から配信中!


~童話に隠された“世界の滅び”の真実とは?少年が辿り着く先に待つものとは何か。誰もが知る物語の、誰も知らない謎を追うファンタジー譚、開幕!~

板に浮かび上がってきた文字に書かれていたのは、『多重撃』。


それを見た司祭は、満面の笑みでこちらを見てきた。


僕は息を飲み、心臓が高鳴る。


「うん、たまに見かけるスキルだねぇ。効果は、衝撃が後追いから何回か発動するタイプだね。鍛錬で回数が変わるんじゃないかな?」


ノタは呆気にとられたような顔をしていた。


「どうしたのかね? 嬉しくないのかね」


「嬉しいは嬉しいんですけど、反応的に珍しいスキルかと思って……」


司祭はスキルと書かれていることを紙に書き写しながら、ケラケラと笑う。


「ほっほほ、それは悪かったな」


書き終えると、さっき鑑定した内容を書き写した紙を一枚貰った。


「ありがとうございました」


書き写された紙を大事にカバンの奥に押し込んだ。


「ノタ君はこの後、どちらに向かわれるのですかな」


司祭が板を片付ける作業をしながら聞いてくる。


「この後は、神話迷宮にでも向かおうかと思います」


「神話迷宮、ですか。たしか、古代の人々の歴史を描いた壁画がある観光地ではないですか」


「僕の『知りたい』が、そこにあるかもしれませんから」


何故、世界は一度滅んだのか。その理由が、もしかしたら壁画に描かれているかもしれない。


僕は、まだ世界の真実を知らない。


「あ、少し待っていてください」


司祭は思い出したかのように、何かを取りに板をそのままに裏へ向かった。

 一枚の手紙を持って戻ってきた司祭は、僕に手渡す。


「これは……?」


「紹介状です。ここから神話迷宮へ行くのであれば、中間のフラッド神聖国の検問を通ると思います。多少はスムーズに通れると思いますよ」


ノタは紹介状を丁寧にカバンの中にしまった。


「では、行ってきます」


司祭は何も言わず、僕が教会を出るまで手を振っていた。


教会の扉が閉まり、軋む音が鳴る。


僕の旅の始まりを告げるかのように、鳥が教会から飛び立っていく。


僕は、ここから歩みだそう。

 何故、世界は一度滅んだのかを知るための、旅の始まりを。


僕は街道に沿い、神話迷宮の手前にあるフラッド神聖国へ向けて歩みを進め始める。


村を出て、しばらく歩いていると、周りの風景が目に飛び込んでくる。

 小さな湖や、平原が辺り一面に広がっている。


草木の揺れる音に耳を澄まし、そよ風が疾走しているような感覚に胸が躍る。


街道沿いの次の街で一泊しよう。地図ではこの先はそこそこ大きい街だったはずだ。


自然を全身で浴びながら歩いていると、前から木馬車の音が聞こえてきた。


商人かな? 街道だし、干し魚でも運んでいるのかな。


「――珍しいな、ここらじゃ見かけない」


前からやってきた馬車の荷台には、フラッド神聖国の国旗が刻まれていた。


「やべっ」


何もやましいことはないが、目が釘付けになっていたのか、運転手と目が合ってしまい、咄嗟に目を逸らす。


運転手は怪しい者を見る目付きで、ノタのことを警戒しながら、馬車をノタの方へ進めてくる。

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