【第十五話】晴天、その道に陰りあり
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~童話に隠された“世界の滅び”の真実とは?少年が辿り着く先に待つものとは何か。誰もが知る物語の、誰も知らない謎を追うファンタジー譚、開幕!~
大きな街を離れ、郊外の自然へと入る。馬車の揺れが段々と大きくなっていく。
「世界を追い求める? ゾイマー、お前も世界の真実を知りたいのか?」
ノタがゾイマーの目を真っ直ぐに見る。
「あっしは、そんな大きいもんじゃないっすよ――」
ゾイマーの目から光が消え、声が低くなる。
しかし、不思議とゾイマーは笑顔になった。
「あっしは、神を知りたい。それだけですよ」
ノタは冷や汗が引き、代わりに鼓動の音が大きくなる。
味方……なのか。目的が同じなのか?
確かに、『何故、世界は一度滅んだのか』という問いに返ってきたのは、『神を怒らせたから』という答えだった。
ゾイマーの知りたい「神」と何かしらの関係があるとしたら、世界の真実に近づける。
「僕は、この水晶を知っている」
ゾイマーにもはっきりと聞こえる声量で、水晶を握って言った。
「ゾイマー、僕はこの世界の真実が知りたい。何故、世界は一度滅んだのか。その理由を!」
ノタの水晶を握る手が、より一層強くなる。
「……やっぱり、ノタの兄さんに付いて来て正解でしたぜ」
「ゾイマー、君は知っているのか? 世界の真実を」
ゾイマーは目を泳がせ、飄々とした軽口で零す。
「あっしは、少しだけ知ってますぜ。確か――」
言いかけたその時、馬車が突然止まった。
「何があったんですか?」
ノタが運転手に問いかける。
「……」
運転手は無言のまま、その場に倒れ込んだ。
――っ!
「これは、あっしは出ない方が良いかもしれねぇっすね」
ノタが馬車を飛び降り、運転手へ近づく。
ノタは運転手の胸に手を当てた。
「生きてはいるのか。ただの気絶か?」
ノタは急いで周囲を見渡し、水晶のネックレスを掴む。
背後に肌寒い感覚が走った。
ノタは前方に飛び、後方を振り返るが、そこには誰もいなかった。
……今、何か居たような気がしたんだが。
ノタはすぐに、さっきまで居た場所へ走る。
「――ガッ!」
運転手を目前にして、誰もいない横から後頭部を殴られた。
ノタは前のめりに倒れかける。
「僕は、この――知っている――『多重撃』!」
地面を二度、踏み抜く。寸での所で持ち直した。
多重撃で舞い上がった土埃が、周囲へ広がる。
「そういうことか」
ノタが舞い上がった土埃の中へ突っ込む。
ノタはその目で「正体」を捉え、水晶から手を放した。




