【第十三話】入国、ようこそ、知らぬ世界へ
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~童話に隠された“世界の滅び”の真実とは?少年が辿り着く先に待つものとは何か。誰もが知る物語の、誰も知らない謎を追うファンタジー譚、開幕!~
豪華な装飾がされた換金所で、スートをオナーに換金する。
「はい、こちら80,000オナーです」
換金を終え、大金をバッグの奥へ入れた。
「お、終わりましたか? ノタの兄さんはどこへ向かうんです?」
出口付近で地図を眺めて待っていたのは、ゾイマーだった。
ノタは鋭い視線をゾイマーに向ける。
「神話迷宮に向かう。ゾイマーも来い」
「あっし、ノタの兄さんが行く場所なら、どこまでも行きますぜ」
ゾイマーは飄々とした態度で、ノタの横を付いて行く。
アインヘル中央諸国の検問所を抜けると、精密に並べられた石畳の地面が広がり、三階建ての建造物が規則的に建っていた。
ノタは周囲の建物に目線を移しながら、大通りを進んでいく。
「あっしは三回目なんですが、毎回圧巻ですぜ」
ノタは左横を歩くゾイマーを、懐疑的な目線でチラリと見る。
「ゾイマー、お前はなんで――」
ゾイマーがハッとした顔で、急いでノタの腕を引っ張った。
「……!」
緑のローブが風で煽られ、茶色の髪が露わになる。
「お、ノタの兄さん。ローブ被ってないとイケメンなんすね」
ノタは、右手で水晶のネックレスを強く握る。
ゾイマー、何を考えているんだ?
僕に質問をされたくなかったのか?
……まだ、分からない。
ノタの水晶を握る手が一層強くなる。知らなければ……!
「何が目的なんだ、ゾイマー」
ゾイマーは申し訳なさそうな顔をし、頭を少し下げる。
「ここ、アインヘル中央諸国は馬車道と歩道で分かれていて、ノタの兄さんは馬車道を歩いていたもんで、つい」
ノタは振り返り、先程まで自分がいた場所を見る。
確かに、人は歩いていない……な。
ゾイマーは、助けてくれたのか。
「ありがとうゾイマー、僕はこの国が初めてだから」
「良いんすよ、礼なんて。これから旅をしていくんで」
飄々とした態度の癖に、やけに周囲を見ているんだな、ゾイマー。
僕は半歩だけ、ゾイマーの方に近づいた。
「ゾイマー、お前は――」
「なんで、ここまで親切にして付いて来るのか、とかすか?」
「おまっ……なんで……」
ノタの視線がゾイマーへ釘付けになる。
ゾイマーが後ろ歩きで進み、頬を赤らめて、だが鋭い眼で言った。
「あっしも話したかったんすよ。ノタの兄さんに、救われたことを」




