第55話
明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします。
「今度は何をやってるのかな?弟君」
「いえ、これは不可抗力という奴でして……」
「……んっ……あ……」
先生の口から色っぽい吐息が漏れる。しかし、色っぽいのはその音だけで、やっぱり酒臭い。だが、直接耳元をくすぐられると、呼吸の度に肉食動物に舐められているようなスリルを感じる。しかも、身体から徐々に力が抜けてきて、自然とその胸に俺の指がめり込んでいく。これまでに触れた事のない柔らかさが右手から脳髄を刺激し、頭に血が昇っていくのを感じる。とろんとした目つきも、ぶっちゃけエロい。
……やばい、そろそろ理性がギブアップしそう。
「先生、どうしたんですか?こんなに酔っ払って……」
義姉さんが梛ノ宮先生を俺から引き剥がす。義姉さん……グッジョブ……うん、グッジョブ……。
何もない場所を揉む俺の手を見ながら、義姉さんはジト目を向けてきた。
「弟君、残念そうだね」
「そんなことない、そんなことない、そんなことない。義姉さん、ありがとう。先生は大丈夫?」
「……後でお説教だからね?じゃあ、先生をソファーに運んでから、愛里ちゃんに連絡しよっか」
「あいよ」
*******
「すいません。うちの姉が大変ご迷惑をおかけしました」
梛ノ宮愛里は、義姉さんからの連絡を受けると、3分も経たない内にやってきた。
普段の失礼極まりない態度はなりを潜め、純粋に申し訳なさそうな顔をしていた。そして、ソファーにうつ伏せになり、沈み込むように眠る自分の姉を呆れた表情で見つめ、溜息を吐いた。その溜息からは、この状態を何度も経験したかのようなニュアンスが含まれていた。
「お姉ちゃんったら、大して強くもないクセに飲むのは好きなんですよ」
「あはは……まあ、気にしないで。先生だってストレス発散したい日もあるよ」
「まあ、俺みたいに品行方正な生徒ばかりじゃないからなぁ」
「あなたはただ、一緒に悪さをする友達がいないだけでは?」
「ちげーよ!止めてくれない!?その友達いない疑惑!!」
まだ出てきてないだけなんだからな!
「時に灯さん……」
「何かな?」
梛ノ宮愛里は、義姉さんを上から下まで矯めつ眇めつ眺めた。あ、しまった……。
「何故に……メイド服?」
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