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さらば変人!  作者: 差等キダイ
52/63

第51話

「お前……この後どうすんだよ」

「……さあな」

「しかし、お前にあんな趣味があるとは……」

「ねえよ」


 オッサンに気の利いたツッコミを返す体力もなく、ベッドの上にだらりと寝転がる。白い天井がいつもよりのっぺりして見えるのは、疲れのせいだろうか、なんて考えながら、さっきの出来事について考え……たくねえ!何、このしょうもない悩み!?俺だってヒロイン完全攻略前のギャルゲー主人公みたいな悩みが欲しいよ!何だよ!出所不明のエキサイト本って!


「まあ、あれだ……ドンマイ」

「幽霊に慰められた……」



 その日の夕飯……

「あ、灯さん。このお味噌汁、美味しいですー」

「そう?ありがとう!」

「この肉じゃがも美味しいですー」

「ふふっ、嬉しいなぁ♪でも、どうしてさっきから語尾をタラちゃんみたいに伸ばしてるの?」

「何でもないですー。あの、灯さん……」

「何かな?」

「恋愛は自由ですー。私は応援してますよー」

「ぶはぁっ!」


 梛ノ宮愛里の言葉に思いきり吹き出してしまう。背筋をぶわっと汗が吹き出したような感覚がした。いきなり何を言いやがる、このガキは。


「えっ?ど、どうしたの!?いきなり……」

「いえいえ、言葉通りの意味ですー」

「全くわかんないよ!?」


 案の定、あたふたし出した義姉さんは、こちらをチラ見した後、首をぶんぶん振った。


「い、今はそういうのはいいよ!」

「…………」


 一生懸命に否定する義姉さんに対して、月乃がやけに鋭い視線を向けているのが気になるが、まずはこのあんぽんたんを止めよう。


「あいりん、その辺にしとけ。義姉さんが肉じゃがにソースかけだしてるから」

「誰があいりんですか!あだ名は止めてください!」

「いや、愛里は嫌だって言うから」

「それは無難に名字で呼んでくださいって意味ですよ!」

「あ、醤油取って」

「無視しやがりましたね!」


 梛ノ宮愛里とギャーギャー言い合っていると、もう一つの爆弾が起動しようとしていた。


「つ、月乃ちゃん……」

「何?」

「ねえ、あの男性俳優二人……いい感じじゃない?」

「……最近、人気みたいね」

「違うよ、そういう意味じゃなくて……」

「?」

「あの二人……付き合ってたり、しないかなあ?」

「…………」

「あれ?月乃ちゃん、何で席を離すの?何で冷たい目を向けるの?」

「…………」


 後で義姉さんには注意しておこう。

 ……俺が原因なんだけど。

 

 読んでいただき、ありがとうございます!

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