第42話
今回もよろしくお願いします。
「ふむ、これは由々しき事態だな……」
「ええ、大問題ですよ……これは……」
「与……」
「先輩……」
「「友達を勧誘してきたら……」」
俺と先輩は同時に固まる。どうやら触れてはいけない非常にデリケートな部分を、出会って1年経って初めて触れたようだ。だが、これでもっと仲良くなれたね!なんて素敵な気分にはなれそうもない。
「別の手を考えるとしよう」
「そうですね……てか、俺は去年も似たような問題にぶつかった気が……」
「与、過去を振り返るな。人は前を向いて進んでいく生き物だ」
「……そっすね」
「非リア充の闇を垣間見た気がするぞ……おじさん、泣けてくるわ」
幽霊のオッサンにすら同情される俺達の交友関係はさておいておき、バンドという形は一旦保留にしておいた方が良さそうだ。
……始まってもないのにまた挫折とか。
「つーかお前、友達いるんじゃないのかよ。教室で誰かと話してるの見たことねーけど」
「普通にいるっての。ほら、あれだよ。友達だけど頼み事をするほどの仲じゃないというか……」
「与、止めろ。聞いてて悲しくなってきた」
「ぐっ……」
「俺は友達でいてやるからよ」
「てめえはさっさと成仏しろ!」
悲しい会話を続けていると、珍しくドアがノックされる音が聞こえた。
俺と先輩は顔を見合わせて、またドアに視線を向けた。すると、また同じようにコンコンと聞こえてきて、気のせいじゃないとわかる。
「どうぞ」
返事をすると、ドアが開き、見覚えある姿が入ってきた。
「失礼します」
赤みがかった黒い長髪。スカートから伸びる白い脚に、感情の読めない表情。
失礼極まりない腐れビッ……失礼、まーちゃんがそこにいた。
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