第37話
最近、ガルパンにはまりました。
「まったく……何故あなたと一緒に登校しなければならないのですか?」
「それはこっちのセリフだ。しっ、しっ」
朝食後、お互い登校時間が近づいていたので、同時に家を出て、方向も殆ど同じなので、並んで歩く。この情景だけ切り取ってみれば、いかにもな青春の甘酸っぱい1ページに見える。だが実際のところ、一緒に行動するのはごめんだが、かといって先にさっさと行ってしまうのは、意識しているみたいで負けた気がするから嫌だ、というしょうも無い意地が生み出した居心地の悪い時間でしかない。
その証拠に思いきり尻を蹴られた。
「青春だねえ」
「あれ?成仏したんじゃねえの?」
「してねえよ!ピンピンしとるわ!」
幽霊の癖にピンピンしているとはこれ如何に。ぶっちゃけ、今まで存在を忘れていた。ついつい、年下女子との甘くほろ苦い青春ラブコメに突入したと思っていたのだ。
梛ノ宮妹は、そんな俺の考えなどお構いなしに、気味の悪いものを見る目をこちらに向けていた。
「あの、急になんですか?どこに向かって語りかけているのですか?」
「……さあな」
「いやいやいやいや。何ですかあなた、見える人ですか?よ、寄らないでください!しっ、しっ!」
「ハグ……しよ?」
「このタイミングで!?いや、このタイミングじゃなくてもしませんけど!」
「ちぃっ!惜しい……」
「どこが!?」
梛ノ宮妹の拒否に溜息を吐き、もう一度上方に目をやると、諸悪の根源が腹を抱えて笑っていた。
オッサンの幽霊が俺の学園ラブコメを全力で邪魔している。
「おい、人のせいにすんな」
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