第36話
気がつけば、11月もあと少し……。
梛ノ宮愛里は、義姉さんに誘われて朝飯を食いに来ていたらしい。梛ノ宮姉妹が両方料理ができないとか、そんな理由ではないと信じたい。
義姉さんは俺がエロゲを持っていると信じて疑わず、帰ってから俺の部屋の捜索しますと告げて、大学へと行った。……あ、昨日コスプレしてもらってない。帰ったら、エロゲ捜索の前にやって貰わねば。
そういや、見つかったらやばいもの、どのくらいあったっけ?正直かなり焦っているんだが。
「なあ、愛里……」
「だから呼び捨ては止めてください!」
「じゃあ、愛里ちゃん?」
「それも嫌です!」
「じゃあ……愛里君?」
「てめえ、表出ろや!!!」
めっちゃキレてる。どうやらお気に召さなかったようだ。こちらを思いきり睨みつけた彼女は目玉焼きをご飯に乗っけて、猛スピードでかき込む。
「ふぁふぁふぇふぇふぉふぁふぁふぃふぇふふぁふぁふぃ」
「まず飲み込め」
「…………んぐ。名前呼びは止めてください。大して仲良くもないのに」
「なあ、俺、今晩の義姉さんの自室捜索、どうすりゃ切り抜けられると思う?」
「人の話聞けや!!というか女兄弟がいながら、エキサイトグッズを購入する方が問題かと思いますが」
「妄想で済ませろってのか?」
「せっかく義理の姉も実妹もいることですし」
「とんでもねえ事言い始めやがった!」
「何なら私の姉も」
「お前は悪の化身かよ!」
一瞬、こいつがダースベイダーより悪者に見えた……。
「あ、私はダメですよ?あなたの性欲の捌け口になるつもりはありません」
「こっちもその予定はない」
贅沢をいえる立場ではないが、年下はあまり趣味ではない。
コーヒーをゆっくりと飲み干すと、梛ノ宮はニヤニヤした小悪魔めいた表情を向けてきた。
「ほうほう、じゃあこの前胸を触ろうとしたのはどういう事でしょう?」
「…………」
べ、別に?興奮しないとか言ってないし?
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