第31話
明日はラブライブ!サンシャイン第4話!
公園を出た俺達は、進行方向が同じという事で、もうすっかり暗くなった住宅街を三人で並んで歩いていた。
空を見上げると、さっきよりも多くの星が出ていて、天気予報が明日も晴れだと告げていた事を思い出す。
……あれ、何か忘れているような気がする。天気予報思い出してる場合じゃないような……。
頭の中に妙な引っかかりを覚えながら、不規則なリズムでなる六つの足音に耳を澄ましていると、先生が気まずそうにポツリと口を開いた。
「新藤君。今日の事は……」
「わかってます。心配しないでください」
「新藤君……」
「残念会はすき焼きと焼き肉どちらにしましょうか。いや、お好み焼きで太陽サンサン熱血パワーを……」
「新藤君!!」
「弟君!!」
二人から怒声が飛んでくる。あまりの覇気に気圧され、気絶してしまいそうなくらいだ。
どうやら気の使い方を間違えたようだ。女心難しすぎじゃないか。
「いい?新藤君。君はさっきまでの私の醜態を脳内のブラックボックスに閉じ込めて墓場まで持っていけばいいの。もし、口外しようものなら……」
「あ、すいません。内申点下げるのだけは勘弁してください」
「そんな事しないわよ。ただ、君が高校生活の間、彼女が絶対できないように、裏で手を回すだけ」
「残酷すぎる!!」
「大丈夫よ。しっかり黙っていれば。そういえば……君、クラスの誰とも話してないけど……ああ(察し)」
「いやいやいやいやいや何勝手に察してるんですか話してますよ話してます行間読んで行間」
「行間を読むってそういう事じゃないような……」
義姉さんからツッコミを受けるが、今はそれどころではない。一刻も早くこの誤解を解かねば。
「そういやお前、誰とも……」
「やかましいわ!」
「お、弟君?どうしたの?」
「いや、え~と、そこに友達がいた気がして」
「重傷すぎるよ!!」
「ごめんなさい。私の力不足で……でも必ず約束するわ!あなたに幸せな学校生活をプレゼントしてあげるって」
「いや、大丈夫だって。今朝も教室に入って横田に話しかけたら、『ようこそ2年C組へ!』って言われたから」
「どこのRPGのモブキャラよ……」
オッサンのせいでピンチを迎えたが、そんなこんなで帰り道は割と賑やかになり、そうなると、自然と道のりも短く感じる。気がつけば、もう家が見えていた。
「じゃあ、家そこなんで……」
「え?」
先生が意外そうな顔を向けてきたので、つい義姉さんと顔を見合わせる。
「どうしたんですか?」
「あはは、実は……私の家、隣なのよ」
「え?でもあそこは……」
義姉さんが疑問を持つのはもっともだ。隣の家の表札は、梛ノ宮ではなく、福島だったはずだ。仕事で海外にいるらしく、殆どこっちにはいないけど。
「実は私、ここの家の主人の姪に当たるのよ。それで、この家の方が職場に近いから住ませてもらう事にしたの」
「なるほど」
「というわけでよろしくね!お・と・な・り・さん♪」
先生はそう言ってウインクをしてくる。さっきの闇を見ていなければ、うっかり先生ルート攻略が始まっていたに違いない。てか、担任が隣に住んでるって結構気を遣いそうだ。
「どうも……」
「よろしくお願いします、先生」
不思議な事もあるもんだと思いながら(今さらだが)、先生に挨拶して、オッサンの話しかけるのをスルーして、家の鍵を開けると、隣の家の扉が開く音と、先生のものとは違う声が聞こえてきた。
「あ、帰ってきましたね!」
「ただいは~」
「お姉ちゃん!遅くなるなら連絡するようにとあれほど言ったではありませんか!」
「あはは、ごめんごめん……ちょっと立て込んでたのよ」
あれ?この声、どこかで聞いたような……。
そう思い、声のした方へ視線を向けると、偶然その子と目があってしまった。
「あ、あなたは今朝の……!」
「…………!」
どうやら最近は妙な縁があるらしい。
そこには、今朝出会った謎の美少女がジャージ姿で立っていた。
読んでいただき、ありがとうございます!




