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さらば変人!  作者: 差等キダイ
27/63

第26話

 秋アニメの時期になりました!

 今期も楽しみです!

「ふふっ、弟君ったら……緊張してるの?」

「ね、義姉さん……」



 ベッドに腰掛けたまま、二人の距離が縮まっていく。オレンジ色のぼんやりとした灯りが、初めて出会った日に、二人で眺めた夕陽によく似ていた。

 そして、そこにある緊張感はその時とは異なる形をしていた。



「……義姉さん、本当にいいの?」

「もちろんよ」



 義姉さんは髪を少しかき上げ、柔らかく微笑む。

 その仕草は普段と違い、人をほっこりさせるような小動物的なものではなく、蠱惑的なものに思えた。

 この感情の泥濘にあと少しでも足を踏み出せば、後は底無しにどこまでも沈んでいけそうだ。

 いや、もう既に沈んでいるのかもしれない。もしそうだとすれば、今はどの辺りを漂っているんだろう?

 考えている内に、姉さんが左肩にもたれかかってきた。甘い香りが普段より熱く鼻腔をくすぐる。



「弟君、その……弟君から来てもらっていいかな?」

「……っ」



 至近距離からの上目遣いと、滑らかに耳朶を撫でる声に、理性が8割方吹き飛んだ。



「お、弟君っ……もう、せっかちなんだから……」

「義姉さんっ……義姉さんっ……」




「弟君?弟君ってば!」

「え?あ、え?」



 義姉さんが心配そうに、こちらを見上げている。

 ……あ、気がつけば妄想の世界に入っていた。

 駅前の賑やかさと人並みが、様々な何かが入り混じった街の匂いが、湿っぽい頭の中を、乾いた現実に戻していく。ふわふわした感覚は、ゆっくりと雲散霧消していった。



「本当に大丈夫?どこか具合悪くない?」

「ああ、大丈夫大丈夫!そ、そういや、何でホテル?」

「ホ、ホテル?何の事かな?」

「え?」

「え?」

「こいつ、とうとう頭がおかしくなりやがった……」



 オッサンの言葉にはっとさせられる。

 あぁ…………そこから?

 長々と妄想して、どうもすいませんでした……。

 義姉さんに対する言い訳を考えながら、火照った顔を冷ます春の夜風を感じた。


 読んでいただき、ありがとうございます!

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