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さらば変人!  作者: 差等キダイ
22/63

第21話

「「…………」」


 沈黙の時が流れる。

 まあ、仕方ないのかもしれない。そもそも友人でもなんでもないし、共通の話題と思っていた話題も、特に役には立たなかった。正直長居する理由はない。

 しかし、いくらオッサンの幽霊がいるとはいえ、実質女子と二人きり。何が起こるかは……


「あ、もういいわよ。うん。さよなら」


 *******


 結局収穫はなし。


 これを聞いた時は流石に言葉を失った。

 失礼とか無礼を通り越している。


「しっかし、今日も無駄に時間が過ぎただけか……」

「だんないよ」

「やめい。オッサンの外見と声じゃ殺意しかわかん」


 何を言うかではない。誰が言うかが大事なのだ。そんな当たり前の事実に最近気がつきました。

 とりあえず来た道を戻り、住宅街へ出ると、街は夕陽によって赤く染まり、近くの家からは、カレーの匂いが漂って、空腹を刺激してくる。

 しかし、このまま帰るのはなんか嫌だ。あの馬鹿に負けた気がする。何に負けたのかもはっきりしないが。


「お子様はお家にもう帰る時間じゃねえのか?」

「いや、本屋へ行く。ストレス発散だ」

「そこでゲーセンとかじゃなくて本屋って辺りがもう……」

「うるせえよ。金使いたくない」


 そんなやり取りをしていると、2台の自転車が俺を追い抜いていった。

 乗っていた小学校低学年ぐらいの子供二人の、心底不思議そうな視線が心に刺さる……また不審者扱いされただろうか。

 ……この幽霊をボンビーみたいになすりつけられねえかな。


 *******


 本屋の前に到着すると、作務衣姿の見知った人物と遭遇する。どうやらまたイベントが発生しそうな予感……。


「……先輩?」

「おぉ、与か」


 聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で挨拶をすると、運悪く……いや、誠に遺憾ながら聞こえてしまったようだ。はい、意外とトラブルメーカー・一ノ宮先輩登場。本日抱え込めるトラブルの量は既にキャパオーバーしてしまっているので、できればスルーしたい方なのだが……。

 しかし、挨拶してしまった以上、もう後には引けない。まったく、俺ってばマジメなんだから。


「先輩、一応聞きますけど何やってるんですか?」

「読書好きの天使を探していたのだが……」

「…………」


 ……次はどんなライトノベルに影響を受けたのやら。

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