第21話
「「…………」」
沈黙の時が流れる。
まあ、仕方ないのかもしれない。そもそも友人でもなんでもないし、共通の話題と思っていた話題も、特に役には立たなかった。正直長居する理由はない。
しかし、いくらオッサンの幽霊がいるとはいえ、実質女子と二人きり。何が起こるかは……
「あ、もういいわよ。うん。さよなら」
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結局収穫はなし。
これを聞いた時は流石に言葉を失った。
失礼とか無礼を通り越している。
「しっかし、今日も無駄に時間が過ぎただけか……」
「だんないよ」
「やめい。オッサンの外見と声じゃ殺意しかわかん」
何を言うかではない。誰が言うかが大事なのだ。そんな当たり前の事実に最近気がつきました。
とりあえず来た道を戻り、住宅街へ出ると、街は夕陽によって赤く染まり、近くの家からは、カレーの匂いが漂って、空腹を刺激してくる。
しかし、このまま帰るのはなんか嫌だ。あの馬鹿に負けた気がする。何に負けたのかもはっきりしないが。
「お子様はお家にもう帰る時間じゃねえのか?」
「いや、本屋へ行く。ストレス発散だ」
「そこでゲーセンとかじゃなくて本屋って辺りがもう……」
「うるせえよ。金使いたくない」
そんなやり取りをしていると、2台の自転車が俺を追い抜いていった。
乗っていた小学校低学年ぐらいの子供二人の、心底不思議そうな視線が心に刺さる……また不審者扱いされただろうか。
……この幽霊をボンビーみたいになすりつけられねえかな。
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本屋の前に到着すると、作務衣姿の見知った人物と遭遇する。どうやらまたイベントが発生しそうな予感……。
「……先輩?」
「おぉ、与か」
聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で挨拶をすると、運悪く……いや、誠に遺憾ながら聞こえてしまったようだ。はい、意外とトラブルメーカー・一ノ宮先輩登場。本日抱え込めるトラブルの量は既にキャパオーバーしてしまっているので、できればスルーしたい方なのだが……。
しかし、挨拶してしまった以上、もう後には引けない。まったく、俺ってばマジメなんだから。
「先輩、一応聞きますけど何やってるんですか?」
「読書好きの天使を探していたのだが……」
「…………」
……次はどんなライトノベルに影響を受けたのやら。




