第12話
七月がそろそろ終わります。
「よっ!」
「チッ!」
最悪な目覚め、2回目。
どうやら悪夢はまだ続いているようだ。
「おい!いきなり舌打ちかよ。可愛くねーガキだなぁ」
「やかましい。お前とそんな和気あいあいとしたコミュニケーションは望んでない」
「……確かに」
「てか、昨日の夜いなくなってたから、消えたと思ったんだが」
「いや、風呂で俺とお前が会話するとか、誰得だよ」
「……確かに。お互いに損するだけだな」
朝一の不毛な会話を交わしながら、体をベッドから起こし、大きく伸びをする。この悪霊が憑いている割には、体には何の変化もない。いいことだ。それ以外はよくないけど。
昨夜の姉さんの説教の後、このオッサンは出てこなかった。よっしゃ!なんか知らんけど消えた!なんて考えていたが、現実はそう甘くはないらしい。
……なんて達観できるほど、俺は物分かりはよくない。
「シケたツラすんなよ。美少女幽霊に取り憑いて欲しけりゃゆらぎ荘にでも行けよ」
「ああ、確かに……って、そもそも幽霊に取り憑かれたくないんだよ!」
「またまた~」
「え、何?そのクソみたいなテンション」
とりあえず、昨日話の途中で帰った……何とかさんに声をかけよう。このオッサンが見えてるみたいだし。てか、何でいきなり帰ったんだよ。
まあ、過ぎたことはもういい。
今日中に何としてでも、俺はこのオッサンから解放されたい!
そう意気込んで、学校へ行く仕度を始めた。
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