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さらば変人!  作者: 差等キダイ
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第13話

水分補給は欠かさずに!

「あーくん、おはよー!!」

「やめい。文章だけじゃわかりづらいんだから」

「てへっ!」

「うぜえ!」

「何だよ。年下の幼馴染みを演じてやったのに」

「文字だけ見ればそう見えるが、俺からしたら、オッサンの猫なで声聞かされる苦痛な時間でしかない。てか、何でいちいち萌えに詳しいんだよ」

「さあな。生前はラノベ作家だったのかもしれん」

「ただのオタクじゃねーの?」



 何だかんだぺちゃくちゃ喋りながら歩いている自分が恨めしい。意外な適応能力に驚きを隠せません。案外このままでもいいんじゃなかろうか。



「ママー。あのお兄ちゃん、今日も一人でたのしそうだよー」

「しっ。見ちゃダメって言ってるでしょ!」



 …………やっぱり早く除霊せねば。

 そんな事を考えながら、角を曲がろうとしたら……



「きゃっ!」

「っ!」



 誰かが思いきりぶつかってきた。

 前も似たような事があったような……。

 慌てて前を向くと、そこには女子中学生がいた。何故中学生だとわかったかというと、その女子が来ている制服が、2年前に俺が通っていた中学校のものだからだ。



「いたた……」

「わ、悪い……?」



 つい語尾に疑問符がついてしまった。

 理由その一。その女子は口に咥えていたであろう食パンを、お腹の辺りに落としていた。

 理由その二。尻餅をついた女子の淡い緑色の下着が丸見えになっている。

 理由その三。そんな恋愛シミュレーションゲームの一場面をくり抜いたような出来事が起こった。



「お、お前……やるじゃねえか」



 オッサンが心底羨ましそうに呟く。うん、心底どうでもいい。

 痛みが少しは治まったのか、少女は自分の態勢に気づくと、慌てて隠した。

 それと同時に、こちらをジト目で睨みつける。またテンプレ発動か。



「み、見ました?」

「あ、安心してください。履いてましたよ?」

「当たり前ですっ!!てゆーか、見たんですね!?」



 少女の怒りの叫びが、朝の静かな街並みの空気を揺らす。……上手い切り返しだと思ったんだが。




 

読んでいただき、ありがとうございます!

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