何で追いかけてくるの
「夢の中を自由に歩ける装置を使って実際に夢の中を歩いてみたけど、案外やばくてさぁ」
「なんかチェーンソー持ったやつに追いかけられて怖かったわ」
「あとは周りが暗かったって感じ、夜って感じじゃないんだよ。たとえるとまるで闇? あと、音? 変な音が聞こえてくるんだけど、それがだんだん近づいて来てさ、もうやばいよ」
「今回もこの夢の中を自由に歩けるシールを貼って寝るわけだけど……こんなふうに頭に貼って寝るわけ、とっても簡単なんだよ」
「はあ……じゃあ寝ますか」
「……」
「……これは……夢の中だよね? 周りを見てみると草原に立ってるわね。周りにはなにもない。相変わらずだけど辺りは真っ暗、空を見てみると星はなし、だけど地面はなぜか色が見える。うーん、光ってるって感じじゃないけどちゃんと見えるんだよね」
「じゃあ、歩いてみるわね」
「……しばらく歩いているけど、ずっと草原が続いているわね。あっと、そうそう服装はね、サンダルにワンピースだよ。パジャマ着て寝たはずなのにね」
「え? ……いま、おーいって聞こえた」
「えっ!? なに! おーいおーいって言いながらだんだん近づいてくる。やばい、ちょっと逃げるわ」
「……はあ、はあ……やばい、なんか男の人の声。走ってるけどだんだん近づいてくる、あっ!」
「いったー……急に坂があって転げ落ちちゃったわ。えっと、道路に出たわ。どっちに行けばいいの」
「坂の上からやつが追って来る。早く逃げないと」
「……いま一本道をずっと走ってるわ。周りは草原だらけ、走っても走ってもおーいって声が聞こえてくる。どうしよう、えっ!」
「前から誰かが来る。黒い影が、近づいてくる、なんかやばそう、えっ! 走ってきた。やばいって!」
「また草原のほうに入って逃げてみるわ」
「ザッザッザッって後方から音がする。たぶん足音、だけどだんだん増えているの。何人もの人がわたしを追いかけてくるって……」
「なになになに? 後ろを振り向くと何人もの人影がこっちに向かってくる」
「ダメ、もう走れないわ」
ザッザッザッ……。
「わたしの後ろに誰か立ってる……」
おい。
「ひえーーーーーー!!!!」
ジリリリリリリリリリン。
「……あ! げっ現実、よね。あー危なかったー」
「やばいって、目だけ、黒い影に目だけが見えた。ぎょろりとした目が、マジ最悪」
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