↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/4

夢の中を探訪してもね

「わたしはこみみ、十三歳。一応占い師なんだけど」


「焚火占いじゃ、動画見てもらえないから……今日はこれをやってみようと思うの」


「試作品の夢の中を歩く装置が開発されたんだって。装置といっても、頭にシールみたいなものを付ければいいだけのもの。それを付けたまま眠ると、夢を見たときにその場所を歩けるという代物なんだけどね」


「つまり、夢を自由に動いて自由に発言できるアイテムなの」


「だから、いまパジャマ着てるってわけ」


「わたしね、今日それを使ってみようと思ってね。治験バイトってあるでしょ? それの装置版のやつ。で、いまからこのシールを付けて寝てみるから。ちょっと待っててね」


「……」


「あれ? ここ、どこかな、あ! そうだ、これは夢か、歩けるんだっけ」


「暗いなー、なんか、電信柱がところどころ折れてる。その折れたところにある電灯が薄暗く光っているってかんじ」


「ちょっと、歩いてみるわ」


「うーん、いまね中央分離帯を歩いているんだけどね。車とか来ないからさ、でも、なんだろ。空気がなんか重いんだよね。どんよりしてるっていうかさ、あと気付いたのは遠くのほうに丘があって、家が有るけど……いやーちょっと、これは、なんかなー。あんまり行きたくない、かなー」


「あのね、さっきからね、後ろのほうで何か近づいてきてんだよね。分かんないんだけどさ、カツカツカツカツっていう音がさ、何の音だかわからないけどさ。一応さぁ、適当に歩いてるんだけどね。えっと、とりあえず、このまま進んでみたいと思います」


「うーん、だいぶ歩いたけど一向に着かないんだよね、丘の上の家っていうか民家みたいな建物に、相変わらず真っ直ぐ中央分離帯を歩いているけど、道がさ、なんていうの地盤沈下? みたいにさ、デコボコしてんだよね、だから歩きにくいっていうか、そうそう言い忘れてたけど、わたしの格好ね、サンダルにワンピ……、ちょっと、ま、ま、まじ!?」


「……はぁ、はぁ……、いやね、さっきさー、カツカツカツカツって音が速くなって近寄ってきたから、あわてて逃げたんだけど、夢でもなんか怖いね、いまコンビニの看板が横になってたからさ、そこに隠れてんだけど、でー、コンビニがあると思うじゃん、どこにもないからさ、あるのは空き地、べつに壁に囲まれてるわけじゃないよ。広く見通せるんだ、けどね、なんか変なのよ、そう、静かすぎる。とても、わたしの耳がないみたいに」


「あ! そうだ、携帯電話あるかな……あ、あった。なにこれ、かけれんの? ちょっと開いてみるわ、あ! 言っとくけどガラケーね」


「え? なにこれ、画面がさ、わかるかな、ジジジジジってなってて、電波が悪いよりもっと悪い感じの、電源はつくんだけどね。まあ、いいや、べつに……え? 民家が目の前にある。いつの間にか、えっ!? と、戸が開いた、たぶん玄関、引き戸みたいな。中は真っ暗、うわーちょっと、い、いま目覚めないかな、なんかねー黒い物体がうごめいてるんだよね。玄関の中がさ……怖いけど……行ってみるわ」


「近づくとさ、ガンガンガンガンって音がさっきからするのね、うるさくてさ、なんなのもう。もう、目と鼻の先だよ。真っ暗だよ、失礼しまーす、誰かいませんか……」


「え? 急に音が止んだ、しーんとしてる……」


 ギュイーーン! ギュイーーン!! ガガガガガガガガッガ!!!!


「きゃああああああああ!!」


「ちぇ! チェーンソーもった、化け物が! 追いかけて、くるっ!!」


 ドスン、ドスン、ドスン、ドスン!


「……はぁ、はぁ、……いたっ! つ、つまずいてサンダルが! は、速くに、にげないとっ!」


「え? うわっ! マンホールの穴にひっかかった、いってて、膝すりむいた」


 ドスン、ドスン! ギュイーーン!! ギュイーーン!!!!


「ぎゃーーーーーーーーーー!!!!」


 ジリリリリリリリリン……。


「……」


「……ゆめ? 危なかったー……これやば」


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。