11 女子は餃子が好き
彩葉は今日もミナミちゃんと楽しくおしゃべりをしている。彩葉は
「あーっおしゃべりしてたらお腹空いちゃった。何かオススメある?」
ミナミちゃんはメニューを出しながら
「このお店で出せるのは基本的にこういうおつまみ的なものよ」
「ふーん。枝豆、たこ焼き、アイスクリーム・・・」
「とりあえず枝豆。タンパク質もあって体にいいからね」
彩葉は枝豆を頬張りながら
「あーっ、やっぱり枝豆はビールと合うわね。あら、ミナミちゃんも遠慮しないで食べてね」
「ありがとう。じゃ、いただくわ」
「でも枝豆はあくまでおつまみよね。もっとお腹にたまるものも食べたいな」
「近くに提携している料理屋さんがあって、これがメニューなんだけど」
「ふーん。結構いいお値段ね。それに持ち込み料もかかるんでしょうし」
「まあね。このご時世、物価高で何でも高いからね。諸悪の根源は円安よ。まったく、世の中頭脳明晰な人がたくさんいるんだから、特に経済学者さんに頑張ってもらって何とかならないのかしら。それに消費税減税になったら、料理屋さんも打撃を受けるって戦々恐々としてるわよ」
「それに近年は線状降水帯とか、台風とか、酷暑とかで農作物や果物とかもダメージを受けてるから、ますます上がるかもね。牛や鳥とかも暑さで弱ってるっていうし」
「あーっ、なんか急に餃子食べたくなっちゃったな」
「ザンネーン、この店は中華料理店ではありません。でも女子ってだいたい餃子が好きよね。じゃせめて餃子の話でもしてあげようか?」
「えっ、話だけ?それじゃますますお腹が空いちゃいそうだけど、一応聞かせて。どんな話?」
「この前ある女の子と餃子専門店に行ったのよ。そこにはいろんな餃子があるんだけど、そのお店の目玉商品を注文したの。」
「どんな餃子?キムチが入ってるとか?」
「それがね、テーブル上には鍋とかやる時のような小型コンロが置いてあって、その上にはお好み焼き屋さんにあるような鉄板がのってるの。そして普通の餃子よりも小ぶりな餃子が鉄板の左右に縦にたくさん並べてあるの」
「不思議な並べ方ね。それからどうなるの?」
「それぞれの餃子が小さいから、左右の餃子の間にはかなり大きな空白があるのね。そしてその空白には何とチーズが、それもピザトーストで使うような細切れのチーズが所狭しと並んでいるの」
「えーっ、ますます分からないわ。どういうこと?」
「さっきコンロがあるって言ったでしょ。点火すると両側にある小ぶりの餃子の間にある無数のチーズが溶けて両側の餃子にからんでいくわけ。そのアツアツなのがたまらないのよ」
「へー。美味しそうね。私も食べてみたいわ」
「だったらやってみる?」
「はっ?どういうこと?」
「ちょっと待ってね」
ミナミちゃんは奥へ行くと、何かを後ろ手に隠しながら戻ってきた。いたずらっぽい薄ら笑いをしながら。
「ジャジャーン!」
何と隠し持ってきたのは、冷凍餃子とピザトースト用のチーズだったのだ」
「えっ、分からないわ。冷凍餃子をどうするの?レンジであっためるっていうこと?」
「さっきの話通りにやってみるってことよ。実は私もやるのは初めてなんだけど」
「えっ、ますます分からないわ」




