隠し扉
憎き仇・・キリヤ左衛門尉。
その血を引く者、次男"シュウジ"は、ついにシズクたちの手で討たれた。
この時代では、それは特別なことではない。
仇を討つとは、本人ひとりを斬るだけでは終わらない。
その因縁は一族まるごとに及ぶのだ。
シズクとシノブ・・・・
仇の一人を討ち果たしたが、感傷に浸る余裕はない。
二人と一匹はすぐさま駆け出した。
五稜郭の地下は迷路のように入り組んでいる。
急ぎ足で進むたび、薄闇がかすかに揺れ、足音が反響する。
もともとここは月面に捨て置かれていた古代遺跡・・・
おそらく異星人が残した施設の上に、五稜郭を建設したのだ。
ゆえに、その名残が地下構造の複雑さとなって今に残る。
つまり・・この通路は人類が造ったものではない。
ちなみに、この異星人は鎌倉時代に来襲したとされる"外宙寇"だと推測されている。
それゆえなのかシズクは、仙術波動の異変を感じていた。
通常では決して起こり得ない歪み。
それは、空間そのものが、ねじ曲がるような、異様な乱れだった。
彼女は静かに目を細める。
「これは、ただの揺らぎじゃないわね」
この波動を感じ取れる者は限られている。
陰陽師の中でも、極めて高位・・陰陽学師と呼ばれる域に達した者だけだ。
もちろん、シズクはその階位にある。
幼い頃、京の陰陽寮・学院館で学び、式札と気脈の理を叩き込まれた日々があったからだ。
その修練が、今まさに彼女の感覚を研ぎ澄ませていた。
空間の歪みは、確かに存在するのだ。
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シズク、シノブ、そして白狸の"ゆきたん"
三つの影は地上へ向けて駆け上がっていた。
時たま現れる牢衛を排しながら・・・
だが、ある地点まで来たところで、シズクはふいに足を止めた。
「・・・・」
そして・・弟シノブも同じく足を止め、姉の様子を訝しげにうかがう。
「ねーちゃん・・・どうしたの!?」
シズクは答えず、周囲に意識を向ける。
何かを探しているのだ。
やがて、彼女は小さく呟いた。
「ここに"何か"がある・・のよね」
そこにあったのは、何の変哲もない鉄製の壁。
見た目には、ただの壁だ。
しかし・・・・
仙術を操るシズクにとって、明らかな違和感!
仙術波動の流れが、澱んでいるのだ。
白狸の"ゆきたん"も鼻をひくつかせている。
何かの気配を感じ取っているようだ。
一方、弟シノブの仙術能力は、まだまだ未熟で、そこまでの細かな波動は読み取れていない。
シズクは大きく息を吸い、懐から式札を一枚取り出した。
それを・・・"ぺたり"と鉄の壁へと貼り付け 指先で印をきると・・・
その瞬間、空気がわずかに震え、鉄壁の表面が揺らいだ。
今まで見えなかったものが、ゆっくりと姿を現し始めたのだ。
それは・・・扉。
見た目は、どこにでもある、ただの扉。
しかし、隠された空間へと誘う扉なのだ。
弟シノブが息を呑む。
「すげぇ。こんなの、あったのかよ」
"ゆきたん"も尾をふわりと立て、驚きの声を漏らす。
「これは・・隠し扉っすねぇ!」
シズクは静かに微笑んだ。
「仙術波動の結節点・・やっぱり、ここにあった。見えないように隠していたのね」
二人と一匹は、目の前に現れた扉を見つめ・・
そして、現れたばかりの"扉"を前に、心は一つになる。
入って見たい!
おそらく、この場所は古代遺跡に関係している。
ならば、確かめなければならない。
陰陽師として・・そして、仙術師として・・
-------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)




