14.地下の魔人
文章がおかしい、誤字脱字等ありましたら申し訳ございません。
魔人出現です!
「魔人……」
魔人。その存在はおとぎ話や、幻の存在として語られる存在だ。
「魔人?ガジンよ。ついぞ目が両方ともやられでもしたか?」
「違うわい!わしらの他にも見たやつは大勢おる!」
そう言えば魔人と言っているが、どんな容姿をしているんだろうか?気になるな……そもそも、おとぎ話の存在だ。
「その……ガジンさん」
「ん、お主はアルスとか呼ばれておったの。なんだ?」
僕は、会話の途中で割り込んだため、申し訳なさそうにしながら疑問に思ったことを聞いた。
「僕は魔人は、おとぎ話とかでしか聞いた事がありません。姿形も話によって様々です……どうして魔人だと思ったのですか?」
「あぁ、そういうことか。頭にツノが生えていたんだ。獣人にツノが生えるやつはいねえからな。居たとしてもここら辺には住んでねえ」
「でも、それだけじゃ魔人かどうかなんて分からないような……。そんなに凶暴な魔人なんですか?」
鹿の獣人とかオスなら生えてそうなもんだけど。もしくは凄く凶暴で手が負えないのかな。
「いや……別に誰かが襲われたって話は聞かねえが、ずっと立ったり、座ったりしているだけだ。眠ったりしているときもある」
「ん?じゃあ、別に意図的に邪魔しているわけじゃないってこと?」
「そりゃそうだが……魔人だぞ?誰も近づきたくねえ。向こう側からくるドワーフたちもそいつがいるって分かってからこっち側の通路に入れねえんだ」
つまり、襲ってきたりはしてこない魔人を恐れて、誰も通路に行けないってこと?それはなんて言うか……。
僕のそんな雰囲気を感じ取ったのか、ガジンさんは声を荒げて僕の方を指さしてきた。
「じゃあ見に行ってみろ!間違いなく魔人なんだ!食われても知らねえぞ!」
「アルス坊、北方は魔王領の近くじゃからな。ここら辺で育つ子供は親たちから魔人の恐ろしさを聞かされておってな……。
恥ずかしい限りじゃが、魔人は恐怖の対象なんじゃ」
まあ、砦を越えればすぐ魔物の巣窟だ。当然そう言う話ばかりするだろう。
「とりあえず、地下を使った輸送ができないと困るのは間違いないな。アルス」
「そうだね。一度見に行ってみてもいいかもしれない」
「ア、アルス坊たちは怖くないのか?魔人だぞ?角が生えていたり、目が三つあったり、しまいには人も食うとまで言われているんじゃ」
カイと僕は行く気満々だが、他はガンテも含めて皆及び腰だ。だが、僕たちからすれば人間の方がずっと怖い。なにせ簡単に同じ種族の人間を裏切ったり殺すからだ。
「まあ、一度見に行ってみてもいいかなって。襲ってこないらしいし」
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鉄嶺堡 地下通路 ???
――寒い……暗い……。私は誰だろう。思い出せないが、まあいい。
すると、目の前から足音とともに気配を感じる。
最近ここにいるときに頻繁に来る小さい奴ら――
また来たのか。こちらから声をかけることもしないが、あいつらはその前に私を見てすぐ逃げ出すからな。どうせ今回も同じだ。
「ん?アルス。誰かいるぞ」
「はあ……はあ……待ってくれよ、カイ。僕はまだ子供なんだ。ここ、道が悪いし、暗いからな。洞窟だからか呼吸がしづらいんだ」
「いや、お前最近訓練参加していないだろう?そのせいじゃないか?」
「いや……そんなにサボってたかなあ」
なんだ?この前来た奴らとは少し違うな。一人はたまに一緒に来る背の高い奴らと同じくらい……もう一人はいつも来る奴か。痩せているな。
そして背の高い奴が私を見ているが、顔が引きつっているのが分かる。
……また、同じか。こいつらも……。黙ってまた消えてくれるなら何でもいい……。
「……はああ。やっと追いついた…。ん?」
だが、その小さい奴の反応は今までの奴らと違った。まっすぐこちらへ歩いてくる。後ろのやつが「おい!アルス」と言って静止しているが、そいつは全然気にせず私の目の前まで来た。
そして、私の目を……のぞき込んできた!
「っ……」
「あ、ごめんね。えっと?初めまして?」
こいつ……今までの奴らと違う……なんだ?なんだ?こいつはなんだ?
「おい!アルス離れろ!確かにそいつは人じゃないぞ!魔人ってのも納得だ!」
「え?」
「よく見ろ!目が全部黒い上に赤い瞳!目が人じゃねえ!間違いなく魔人だ!三つあるぞ!」
「いやいや……そういう人もいるでしょう?」
こいつ、私を恐れていないのか?
そして、この小さい奴は私に心配そうな顔をして手まで差しだしてきた。
こんなやつは今までいただろうか――
いや、前にもこんな事があったような気がする……。いつだったのだろうか、思い出せない。
「とりあえず、言葉はわかるよね?話せる?僕はアルスって言うんだ。君の名前は?」
「……わからない」
「そうか……記憶障害なのかな?と、ともかく服着ようか?裸なのはね……寒くないの?」
こいつ、変な奴だ……。
この小さい奴はアルス。そして私は、このアルスに手を引かれて光があふれる場所まで連れていかれることになった。
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――この魔人だという子を連れて外に出ると、大騒ぎになった。
まずドワーフたちは、皆、武器を取り出すか砦の部屋の中へ逃げ込んだ。そして、数少ない人間たちもみな逃げ出した。
「ほらな?だから言っただろう?大変なことになるって」
「カイは大丈夫そうじゃん」
「いや俺もあまり気分はよくねえよ。よくアルスは平気だな」
いやいやそんなにかな?
黒い長い髪。その上からねじれた角が二本。赤い瞳が三つ。
縁まで黒い。肌は紫色――確かに今まで見たことはない。
でも、言葉通じるし、獣人もいるのに何でそんなに怖いのかよくわからない。
「お!お前!要塞に魔人なんぞ連れてきやがって!どうするつもりだ、ええ?」
「アルス坊……こ、こんなこと、さすがにやりすぎじゃ……。ま、魔人……本当に魔人じゃ……」
ガジンとガンテも顔中に汗をかいて顔を青くしている。仲間の傭兵たちに見せてもカイと同じ反応だ。暗部のエルフの面々も隅っこに移動している。
リュシアは、その場にとどまっているが怖いのか目を閉じている。
「ア、アルス様!お離れ下され!魔人ですぞ!」
「いやいや、ゲイン。肌や、瞳の数の違いで判断しちゃだめだよ。言葉も通じるんだから」
「お、お前!前からヤバいやつだとは思っていたが、そこまでやばい奴だったのかよ!よく見ろ!目が三つの奴なんているか!」
ゲインは僕を守ろうとして近づいてくるが、僕は手であしらった。レオなんて僕をやばいやつ判定なんて酷いな。
「アルス。大丈夫なの?その子寒くないのかな?」
「寒そうだよね。多分女の子だと思うから、ルビーと同じくらいかな?ルビー?」
「……」
「ル、ルビーさん!前に押さないで欲しいっす!無理っす!」
ルビーは完全にケイトを盾にして隠れている。これは服を貸してもらえないかもしれない。
というかそこまでかな?攻撃してこないし、肌とか瞳が三つとかで大げさじゃない?メルはさすがだ。僕のおねえちゃんはすごいのだ。
「ええと、カイ?」
「……お前が面倒を見ろよ。もちろん責任もお前だ」
カイ。完全に丸投げじゃん。
「と、ともかく通路使えるようになってよかったね?」
その後、地下通路は無事解放された。彼女?がいた場所、鉄嶺堡側の出口に彼女が立っていたせいで、誰も通れなかったらしい。
だが蓋を開けてみれば、ただ女の子が一人立っていただけだ。どいてもらえばいいだけ、という簡単な話だ。
「そこまでかなあ……」
「あのな、アルス。目が三つ肌が紫の人間なんていねえんだよ。なんでお前は平気なんだよ」
「リュシアやガンテだって、角はないけど、耳長かったり、髪が黒かったりするし。
目の色なんて魔力持ちなら皆違うじゃん。そんなに違うかな?見た目は確かに怖いけど……人間の方がよっぽど怖いし。裏切るし、殺すし」
「お前、その感覚おかしいだろ。目が三つだぞ?人じゃねえだろ」
レオは魔人と呼ばれた子のことを、あの後も聞いてくるが本当に皆がそこまでいう理由が分からない。僕からしたらエルフとかドワーフ、獣人の方が驚きがすごいよ。
ともかく魔人騒動はすぐに収まり、補給は地下通路から残る砦に送れるようになった。ほかの要塞へは随時ドワーフたちが地下通路から様子を見てくるらしい。
魔王軍も地下通路は発見していないのか、地下へは来ていないらしい。砦が落ちた場合はその地下通路はドワーフたちが撤退するときに破壊してしまうらしい。
「まあ、結果的に良かったね」
「はあ、羨ましいぜお前のことが……」
皆から変な奴のレッテルを張られてしまった僕は納得がいかないまま――
要塞での初日が過ぎていく。
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魔人の子の名前何にしようかな……
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