02 嫁入り三日目で義理の両親に離婚を願われてしまった
波乱の初日を迎えたが、ロンバルトは良い奴だった。
私の事を女のくせに喧嘩なんか強くてーーと見下さないし、こちらの意見があればきちんと尊重してくれる。
けんかっ早い私は度々異性とトラブルを起こす。
そのたびに男どもから、そういう事を言われていたから、うんざりしていたんだよな。
ロンバルトは、世の女性が夫に求める要素の多くを持ち合わせているのではないだろうか。
それに妖精族のイレイザーにもきちんと挨拶して、ちゃんと一匹の妖精として扱ってくれるのはポイントが高い。
これまでに接してきた人間の中には、イレイザーを私の付属品扱いしたり、無視したりする奴もいたからな。
しかも、彼は呪われていて竜に変身できるから、私的にはパーフェクトにちかい結婚相手だ。
たまに感情が高ぶると勝手に竜になって暴走してしまうらしいが、その時は遠慮なく拳を振るってもいいと言われた。
近くで聞いていたイレイザーは引いていたが、私は興奮して頬が赤くなった。
こんなに嬉しいのはいつ以来だろう。
近所に出た、暴走トレントの軍団を百匹まとめて倒した時以来だろうか。
だけど、そういう夫婦関係は人には理解できないものらしい。
ロンバルドの両親に、離婚してくれと言われてしまった。
この結婚には、絶対何か裏があるはずだと。
いや、単純に強い奴とやりあえるのが嬉しいだけなんだ。と言っても聞いてはもらえない。
離婚して出て行ってくれと言われて。
こちらははい、分かりましたと頷けるわけがない。
一度結婚に失敗した女性は、次の結婚が難しくなるらしいから困った。
私には結婚願望がないが、両親を進んで困らせたくはない。
両親は私にどこかの家に嫁いで人並みの幸せな人生を送ってほしいと考えているようだからな。
それに現状ロンバルトと喧嘩する事はなく、これからも仲良くなっていけそうなので、今の関係を続けていきたいのだ。
だから、どうしたものだろうか。
とりあえず今日はお帰り頂いたが、次来てくださるまでに、説得できる何かをかんがえておかねばなるまい。
色々考えて何も浮かばなかった私は、使用人に聞いてみることにした。
ロンバルトと仲の良いその人物は、義理のお母様とお父様の好みを教えてくれた。
イレイザーがムード作りの指南をしてくれて、穏やかな空気感とか、相手が好意を抱きやすくなるインテリアとかを教えてくれた。
これらの情報をもとに、ロンバルトの屋敷にある音質を飾り付けて、手作り料理を提供してみようと考えた。
実は、私は料理が得意ではない。
小さい頃に両親のためにサプライズをしようと頑張ってみたが、全部炭にしてしまったのだ。
だが、やってやろうじゃないか。
やる前に諦めるのは私ではないし、敵が強いなら強いほど燃えるタチだからな。
そういうわけで作った料理は、見た目がちょっとあれだったが、意外と好評だった。
イレイザーも妖精らしく愛嬌を振りまいて、綺麗なものに変身したりといい感じのサプライズをしてくれた。
好感度が少し上がったらしく、お母様たちの馴れ初めをきけたので、これで一歩前進だ。
これからも頑張って距離が縮まるようにしよう。




