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第7話「狼のぬいぐるみ」

カピバラ「面白い見た目ねぇ」


 白い狼の被り物を被った少女がカピバラと話している。


狼「大事な物だったのか、最初から付けて

  たんです。それにしても、不思議な

  世界ですよね。」


カピバラ「それ取れるの?」


狼「取れますよ。」


カピバラ「あら、可愛いお顔」


とちょっと短めの髪に片方三つ編みで編んだ普通の女の子だった。


狼「...でも、こっちの方が落ち着くん

  ですよね。」


そう言ってすぐに狼の被り物を被ってしまう。


狼「此処ってなんか楽器とかないですか」


狼「ギターが弾きたいんですけど...」


とギターを渡すとギュインギュイン唸るように音楽を奏でる狼。


狼「...やっぱり、しっくりくる。」


狐「上手いじゃない。こう、速い旋律が

  良いわね。」


狸「被り物を被ってあんまり見えない中

  そこまで正確に弾けるのは凄いわ」


兎「...あの子、凄いね。」


犬「兎さん!?!?私より、あの子が良いんですか」


兎「いや、歌を歌うならあの子の音楽

  良さそうだなぁって」


犬「むぅぅ、見た目がちょっと可愛いから

  って」


兎「見た目とかは別に関係ないんだけど、」


犬「嫉妬する女の子は嫌ですか」


兎「恋愛と関係ないのに嫉妬するのは嫌

  かも」


犬「くぅぅん...。」


兎(可愛い...。)


兎「私の能力で皆が元気になれたら良いなって」


蛇ちゃん人形『その可能性は大いにあります。一人で歌うより、楽器を使った方が人を魅了できますからね。その分能力も強化される事でしょう』


兎「もっと人が増えたら学園祭とか

  やりたいね。」


犬「大道芸とか皆さんの能力を色々見て

  みたいです。」


黒猫「それに近い事は出来るんじゃないか」


黒猫「りんご飴とかチョコバナナとか

   皆で作れば出来るぞ」


ライオン「私、やりたい!!」


黒猫「作るだけならただだしな。」


黒猫「よし、やるか」


黒猫「バナナを棒で刺して、溶かしたチョコを

   スプーンでかけてく。そのあとカラー

   チョコとかを掛けて、まぁこれを

   冷蔵庫に入れたら完成だな」


兎「マシュマロとかいいかも」


ライオン「コ●ラのマーチとかも良いよね。」


黒猫「ナッツを砕いたのとかもいいぞ。

   好きなだけ作れ、チョコペンとか

   いっぱいあるからな」


ネズミ「僕はそれより薬を作ってたいかも」


狐「ネズミちゃんもするの、そうしないと

  お姉さん泣くから」


ネズミ「...こういう団体行動って、むず痒くて

    苦手なんだよ」


狐「だからこそ、ネズミちゃんの初めてを

  奪ってあげる♡恥ずかしいけど、楽しい

  でしょ?」


ネズミ「なんか違う意味に聞こえるんだけど...」


ライオン「お姉さんも一緒に作ろ」


狼「私もですか、」


狼「なんか、こういうの久々ですね。」


黒猫「次はりんご飴だ。」


黒猫「りんご飴は熱いから気を付けてな」


ライオン「パリパリして屋台のより、

     美味しいー♡」


黒猫「抹茶パウダーとかもあるぞ。

   好きなの選べ、ぶどう飴、苺飴、

   みかん飴全部作るぞ」


カピバラ「私は食べ専だから〜」


黒猫「お前も手伝え」


狐「なんか、生きてた頃より充実してるわね」


狸「私もあの子の事を忘れなきゃいけない

  のかしら。」


狐「良いんじゃない。別に覚えてても」


狸「こっちでも、あなた達の幸せを望んで

  いるわ。食べさせたかったなぁ...」




狼「皆、寝てしまいましたね。」


黒猫「あんたは眠らないのか」


狼「なんか、夜って良いじゃないですか」


狼「星も綺麗だし。死んでも星ってあるん

  ですね」


狼「なんか、寝るのが怖いんです。」


黒猫「私の側にいると寝落ちした時後悔

   するぞ」


狼「ふわぁ、何かあるんですか」


黒猫「前それで嫌な前世を見たやつが

   居てな。」


狼「眠れる事は良いことですよ。」


黒猫「私といると嫌な前世を見る事になる」


狼「必ずしも嫌な物だとは限らないじゃ

  ないですか」


黒猫「幸せなやつばっかりだと良いんだがな」


狼「...おやすみなさい」





父親「実は父さん、借金があるんだ。」


狼「え??そんな話聞いてないけど」


 母親は居なくて。人の良かった父親は急に友人の連来保証人になって借金とりに追われて、皆何処かにいってしまった。


狼「...死にたい、借金を返さないと」


借金があった私は高校に通うのも難しくなって、いくつもバイトを掛け持ちして...やがて限界がきた。


狼「冷たいなぁ...、」


そして私は現実に希望を見出せず海に身を投げて、死ぬことにした。



狼「若かったなぁ...、」


狼「お父さんが借金さえ作らなければ、

  なんで騙されるかなぁ。友達は本当に

  選ぶべきだよ」


狼「逃げた友達も友達だし」


狼「でも、父さん最後まで恨むなら騙された

  私を恨みなさいって...」


狼「普通の、家族として過ごしたかった

  なぁ...。学校も行きたかったし、先輩も

  事情を言わず退学しちゃったし...。」


狼「先輩、怒ってるだろうなぁ...。」


と、狼の両手から水が溢れてくる。


狼「...なんだこれ、」


狼「水だ。」


黒猫「それが此処でのあんたの能力だ。

   きっと海水で死んだから水の能力

   だろうな」


黒猫「此処は死んだ奴らが集まる場所

   なんだ。皆それぞれの思いがあって

   死んでいった。」


黒猫「...せいぜい後悔するんだな。此処では誰も

   あんたの過去を馬鹿にしない。」


黒猫「だが、此処はもうあんたが知ってる

   世界とは違う世界だ。」


狼「....。」


黒猫「気が合う仲間が出来れば良いな。」



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