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110話 圧倒

次々と撃墜、或いは解体されてゆくアナザーたち。


彼らは決して弱くはない。


寧ろ、一体だけでも地球人の軍隊を壊滅するだけの実力を持っていた。


「なんだっ!? どうなっている!?」


しかし、蓋を開けてみればご覧の有様だ。


たった数人の人間に蹂躙されてしまっている。


とてもではないが信じる事などできはしない。


「これは……何かの間違いっ!」


そのプライドの高さが彼らの運命を決定づけた。


愚か、と言えば愚かだが、これは仕方のない出来事。


誇り無くして生きてゆけるほど生き物は強くはない。


生き残っているアナザーたちは、人の姿をした異形の存在に向けて全力の吐息を吹きかける。


これで駄目ならもう駄目だろう、と頭の片隅で思いながらだ。


流石の桃吉郎たちでもこれを喰らうのは拙い。


死ぬ、ということはないだろうが重傷程度には陥るだろう。


だが―――――アナザーたちは失念していた。


自分たちが最も警戒しなくてはならない存在を。


「良い位置です」

「っ!」


気付いた時には遅かった。


突如として姿を現す白金の巨竜。


アナザー・エティルが正体を現したのだ。


彼女に強烈無比な灼熱の吐息が浴びせられる。


だが、その体には一切の傷は無く。


「生温いですね。本気、出しました?」

「おのれっ! 裏切者がっ!【大総督】の恩義を忘れたかっ!?」


これにエティルは嘲りの顔を浮かべた。


「アレは私の敵です」


続いて憤怒の貌。


相当な怒り―――――否、これは憎悪か。


がぱぁ、と巨大な口を開け放つ。


その中心に金色の輝き。


解き放たれる破壊の化身たちは正確無比にアナザーたちを射貫いた。


「が―――――う、裏切者め……」


心臓部分を正確に焼き貫かれたアナザーたちが海上に落下して行く。


これにて全てのアナザーが駆逐された。


「おー、スゲェな」

「ぴかぴかびゅーん!」


解体したアナザーの肉を生で口に放り込む原始人兄妹。


彼らの欠点としては、燃費が悪い、ということであろう。


圧倒的な戦闘能力を維持するには、それに見合うエネルギーが必要だ。


特に桃吉郎は燃費が悪い。


常に食い溜めを行いエネルギーを貯蓄しておく必要がある。


最悪、自食作用による延命もできるが、焼け石に水だと言えよう。


ただし、トウキは桃吉郎に比べて燃費がいい。


その分、戦闘能力は彼に劣る。


とはいえ、双方共に常に何かを食ってなければ落ち着かない事には変わり無しだ。


「取り敢えずは終りましたね」


そこに褐色全裸トラ娘が降りて来た。


着地の衝撃で、ばっるるん、ぷっるるん、と爆乳が激しく上下する。


エティルも人型に戻る。


もちろん、全裸だ。


そして、甲板は全裸だらけになった。


こりゃあ、絶対に映像化できないぞ。


もう、モザイク塗れやぁ。


「おまえら早く服を着ろ」

「……ふくー」


そこに常識人の凍矢姉妹がツッコミを入れた。


「おまえも脱げばいいじゃん」

「断固として断る」

「……ふくをきたほうが、かっこういいよ」


桃吉郎の誘いを拒否する凍矢。


だが、二人きりならちょっぴり勇気を出しても良いかな、とも考えているようだ。


流石はむっつりスケベ。


いつでも押し倒されても言いように身体の手入れは欠かしていない。


といっても彼女は生えてないんですがねっ!


『おまえたち、よぉやった。船の中に戻って来なさい』


戦闘が一段落し、周囲の安全を確認したドクター・モモが桃吉郎たちに声を掛けた。


「どうやら片付いたようだな。腹も減ったし中に入ろうぜ」

「その前に服を着ろ」


こうして、危機を乗り越えた桃吉郎たち。


終わってみれば彼らの圧勝だった。


だが、決して余裕があったわけではない。


ひとつ、ボタンが掛け間違えた場合、イズルヒは轟沈。


人類の未来は潰えていたのだから。

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― 新着の感想 ―
[一言] 裸がユニフォーム! 桃吉郎「コレで良くない?」 凍矢「駄目だ馬鹿野郎」 寅吉「素晴らしい案だ」 変態エルフ「広めましょう」 桃吉郎「賛成多数だな」
[一言] 自食できるからといって食べた足が生えてきたりは…さすがにしないですよね?(震え声
[一言] 人間のくせにバケモンだ・・・
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