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109話 喪失

一方その頃。


ソウルリンクが中途半端に停止してしまった寅吉君が目を覚ます。


「う、う~ん? 僕はどうなったんだろう?」


コクピットルームは静かに駆動音を奏でている。


そこには熊谷と明星の姿があった。


しかし、彼女たちは目が点になっている。


「と、寅吉……君?」


熊谷が恐る恐る訪ねてくる。


「うん、そうだよ?」

「ま、マジでっ!?」

「え?」


ポカーンとした表情を見せる寅吉君だが、彼はまだ事態の重さを理解していない。


「いい? 落ち着いて聞いて」

「う、うん」


熊谷は寅吉君の肩に手を置き、落ち着くよう念を押した。


「あなた、くそエロ褐色トラ娘になっちゃってる」

「……は?」


寅吉君は慌てて自分の姿を確認した。


すると褐色の肌が目に飛び込んで来たではないか。


そして、その胸部にはあり得ない膨らみが。


サイズ的に爆乳確定の大きさだ。


「な、何これっ!?」

「たぶん事故」

「ぼ、僕の本体はっ!?」


寅吉君は慌てて自分の身体を探す。


しかし―――――どこにも見当たらない。


「現実を受け入れてほしいの。これが、あなたの本体よ」


むにゅうん。


熊谷は寅吉君のくそデカぱいぱいを揉み揉みした。


「やんっ♡」


その行為に思わず変な声が出る寅吉君。


だがすぐに我に返り、股間を弄る。


そして青褪めた。


「ないっ……僕のちんちんがっ!」

「そう、失われたのよ……私たちのパオーン様はっ!」


がっくりと項垂れる少女たち。


寅吉君は遂に寅吉ちゃんへとクラスチェンジを果たしてしまったのだ。


これは、いわゆる合体事故だ。


普通なら意識だけがドッペルドールと送られるのだが、事故により本体ごとドッペルドールへと送られ融合を果たしてしまう。


元々、わけの分からないドッペルドールだったため、未知の現象がコサックダンス。


エキサイトシュートからの逆転サヨナラホームランで威力2倍。


そこに緑色の謎の輝きがゲッターしながらマジンゴー。


ハイパーシンクロナイズドドッキングを果たし、褐色くそエロトラ娘が爆誕したのだ。


なるほど、分からん。


「ど、どどどどどっ、どうしようっ!?」

「どうしようもないわよ」

「それに今、絶賛アナザーに襲われ中だし」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」


寅吉ちゃんはトラ耳ぴーん、尾っぽぴーん、した。


これは無意識であろう。


そう、彼女にはトラの耳と尻尾が備わっていたのだ。


いわゆる【獣人】という存在に変わり果ててしまったのである。


「と、取り敢えず服っ」

「無いわよ」

「そんなー」


しかし、この状況、服が無いからと言ってここに引き籠っているという選択を選べない寅吉ちゃんは意を決する。


「服が無くてもっ!」

「あっ」

「えっ?」


寅吉ちゃんはコクピットルームを飛び出した。


そして、甲板に出る。


「あれがアナザー!? ドラゴンじゃないか!」


突然の寅吉ちゃんの登場に、その場に居た全員が目が点になった。


「全裸猫娘だっ!」

「あははははっ! とうきも、はだかになるー!」


そして全裸になるトウキ。


「じゃあ俺も」


gorillaもそれに倣った。


「ではでは! わたしも!」


変態竜エティルも脱ごうとした。


「止めんかっ!」

「……だめー」

「しょぼーん」


凍矢姉妹に制止され、これ以上の事態の悪化は防がれたという。


「というか、君は誰だ?」

「寅吉です」

「は?」


現場は混乱状態に陥った。


だが、それでも冷静な者は居たのだ。


「取り敢えずは落ち着きましょう」

「真っ先にあなたが落ち着いてください」


アナザー・エティルは寅吉ちゃんの爆乳を揉み揉みして落ち着く事の重要性を説いた。


「味も見ておきましょう」

「やめろ」


アナザー・エティルは流石に怒られた。


今は正座をさせられて凍矢のお説教を受けている。


「悪い状況に思えます」

「色々と酷いが……まぁ、概ねそう思ってもらっていい」


凍矢はため息をついて返答した。


数体のアナザーを撃破したものの、イズルヒの弱点を突かれ始めている状況だ。


このまま静観していれば、イズルヒは世界に飛び出す前に沈んでしまうだろう。


「というか、君は誰だ?」

「えっと……」


寅吉ちゃんは事情を説明しようとした。


しかし、それに横槍を入れる形でgorillaがエキサイティングしたではないか。


「大丈夫だ! 俺の野生の力を見せてやる!」

「おまえは服を着ろ」

「断る! ゆくぞっ! トウキ!」

「やってやるぜー!」

「……とうきちゃん、せめて、おぱんつを~」


だが、それは聞き入れられることはなかった。


gorillaと能天気エロガキは完全に野生を開放しており、全裸でアナザーを襲撃、ウホウホしながらドラゴンを解体していったではないか。


マジキチである。


「全裸は許されるのか……!」

「許してないからな? だから君は誰だ? 船内から出てきたように見えたが」


寅吉ちゃんは全裸の解放感に目覚めつつあった。


そして、とうとう、とあるExtraスキルを目覚めさせてしまったではないか。


そのなも【ハイ・サイ・ヌーディアン】。


これは全裸になるという条件を達成すると超能力が使い放題、というぶっ壊れスキルだ。


「今の僕なら空も飛べる!」

「全裸で空を飛ぶなっ! だから君は―――――あぁもうっ!」


あぁ、もう滅茶苦茶だよ。


戦場は全裸の変態たちが空を飛び回る滅茶苦茶な状況に陥ったのだ。


「なんだ―――――えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!? 全裸トラ娘っ!?」

「ハイ・サイぃぃぃぃぃっ! ヒップアタック!」

「ありがとうございます!?」


そのアナザーは紳士だった。


トラ娘のくそデカヒップアタックを顔面に喰らって墜落して行く。


尚、寅吉ちゃんのケツ肉が柔らかすぎてダメージは皆無であるもよう。


「なんだぁっ!? 全裸が空を駆けまわってるぞ!?」

「……あのバカタレどもめ」

「ちょーっ!? 絵面が面白過ぎて照準が合わせられないんですけどっ!?」


イズルヒ艦橋ではこの異常事態に困惑していた。


内一人は大爆笑で呼吸困難になっている。


「おいおい……いいのか、あれ」

「良くは無いがのう……まぁ、アナザーを片付けておるから良いわい」

「いいのか」


モヒ・カーンは呆れつつも、持ち前の操舵技術でさり気なくアナザーのブレス攻撃を回避した。


「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ! ハイ・サイ・キィィィィィィィックっ!」


ぷにんっ。


「ぐわぁっ……痛くない?」


それでも寅吉ちゃんの一撃で墜落して行くアナザー。


ダメージは全く以って皆無だ。


だが、何かがおかしい。


無傷だというのに身体を動かすことが出来ないではないか。


「(よもや、これは―――――強制力が働いて……? いや、付与されている!?)」


ここで一体のアナザーがトラ娘の恐ろしさに気付く。


そう、寅吉ちゃんは無意識ではあるが、強制力を攻撃に載せて付与していたのだ。


ここでの強制力は【墜落】である。


この高さだ。


無抵抗で海に墜落した場合、相当な衝撃がアナザーに襲い掛かるだろう。


事実、墜落したアナザーの一体は打ち所が悪く、頸椎を損傷し再起不能となってしまった。


「拙い! あの小娘を止めろ!」

「どっちのだ!?」

「乳が大きい方だ!」

「両方ともデカすぎて分からん!」

「なら両方ともだ!」


パニックになるアナザーたち。

彼らの戦力は既に半分にまで落ち込んでいた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] どうしてこうなった! 一堂「作者がNGだからだ」 なら仕方がない、諦めよう [気になる点] もしかして作者はぱお〜んがお嫌いですか?
[一言] 裸◯活殺拳!! 凍矢「それは羞恥心がある事によって 攻撃力が上がるから GORILLAやTIGERには関係無い」 GORILLA「知っているのかムッツリ!!」
[一言] あーもう滅茶苦茶だよ(棒) 寅吉ちゃん全裸じゃなければ超能力使えないんですか?それは中々の十字架だと思うんですけど(小声)
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