表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/32

27話 アステル学院



そして、アステル学院のフラスが訪れてから1日が経ち、アルテマから旅立つ日になった。


今、悟達は、城の謁見の間で最後の話をしている。朝早くから学院から転移したのかフラスの姿もあった。


悟達がアルテマから旅立つことを聞いたのかレッド・フィールドも来ている。

わざわざ冒険者ギルドから来たのだろうか。


「そうか、もう行っちまうのか。」


「まぁな。

もともといかなければならないところがあるし、学院に行けばその情報が集まるからな。」




「懐かしいな、アステル学院か。

……、学院に行ったら冒険者の先輩として調子乗ってる冒険者のひよっこ共の鼻緒を折ってやってくれ。

お前ならいけるだろう。だって、冒険者としてSランクなんだしな。」


「面倒くさいわ、そんなもん自分で出向いてやってこい。」


「面倒くさいか。……、まぁ、ごちゃごちゃ言ってもかわらねぇーな。

またここに来て会おうぜ、いつでも歓迎するからよ。」


「あぁ、来た時は冒険者ギルドに寄らせてもらう。じゃあカレンそろそろ行くわ」


後ろの男性を一度見て悟がカレンに言った。


「そうか。

……、そういえばシューラとはどうなったんだ?

行くことになったのか?」


ニヤニヤしながらカレンが悟を見て言っている。


「ふん、白々しい。お前の差し金だろうが。

ガキのくせに良くやるぜまったく。」


悟は手を少し上げてやれやれと言った具合に動作しながら言った。


「誰がガキじゃ、誰が。

年齢的にはお主の方がガキではないか。」


「年齢は、年齢だ。

じゃあこう言ってもらえる方が嬉しいか?

ロリバ……」


ロリババァと言う瞬間にカレンから殺気を感じた。

ステータス的には上だろうが、殺されると思ってしまった。

だがカレンを見ると穏やかな顔をしていた。

目は笑っていなかったが……。


「コホンッ。と、とにかく、お主がまた来る時はここに寄ってくれ。

その時は歓迎しよう。」


「あぁ、わかった。」


「それとシューラ」


カレンから呼ばれ、シューラはカレンの目を見据える。


「お主も、同様に来た時は歓迎する。

それと、もし良かったら旅の話を聞かせてくれ。

王女というのもなにぶん暇でな」


王女は恥ずかしそうに笑って言っている。


「はい、是非また来させていただきます。」


「お別れの挨拶は終わったかい?」


フラスが話が途切れた瞬間に悟に聞いた。


「あぁ、終わった。」


「じゃあ、学院に転移するよ。君たち3人は僕の服か、悟君が今僕の服を掴んでいるから悟君の服を掴んでいれば一緒に転移できるから掴んでね。」


そう言うことが初めから分かっていたかのようにフラスが口を開いた瞬間にフラスの袖を掴んでいた悟。


そして、男の言葉に頷き悟の袖などに捕まる美穂、アスタロト、シューラの3人。


「気をつけてな。」


「また、こっちに来いよ。」


「転移」


悟達はカレンとレッド・フィールドの声を聞いた後、アステル学院に転移した。



-------




転移した先は、大きな門の前だった。門の横には大きくアステル学院と書かれていた。

門の中には大きな建物が立ち並び、中にはアルテマで見た、闘技場のような建物もある。それも、アルテマ以上の大きさで数も複数あった。


「紹介しよう。ここがアステル学院。

世界的に有名で、世界の三大学院に数えられている学院だよ。」


「そうなんだ。じゃあ、ここに通うのね。

悟くんと学生生活か、……年上だから同じクラスでは無いのが残念だけどでも、また学校に通えるのはいいね。」


「他の学院2つはどういうところなの?」


アスタロトが悟の聞きたかった質問をフラスに聞いた。

ナイス、アスタロト。


「他の2つはこことは違って、国が優秀な人材を募ってやっている学院で、主に、自分の国の国力増強目的でしてるんだ。

ここは、国ではなく世界中から優秀な人材を募って初めて開校した学院だからね。

他は、三大都市の2つにあって、1つはクレイラにあるクレイラ学院。

そして、もう1つが、サントラにあるサントラ学院。


その3つの学院の特徴は主に違っていて、クレイラ学院は魔法を用いて、戦闘を行うエキスパートを育てている。

サントラ学院は精霊の力や魔法の力を使って、戦闘など、あらゆる種類の分野のエキスパートを育てているんだ。

そして、ここアステル学院は、2つの特徴を兼ね備えているのがアステル学院。

生徒数は他の学院と違って少ないけど、個々の才能を尊重し、ここで才能を開花させることを主にしている。だから、個々の強さが1番強いのはアステル学院だよ。

ほとんどが普通に入学試験を受けて受かった子がほとんどで、特待生は全体の1パーセントぐらいしかいない。

各学年に3000人ぐらい毎年入学して、時々特待生が入学してくるけど、それでも最終的に3分の1の1000人ぐらいしか卒業できない。

しかも、なおかつ冒険者としてこれからを過ごしていく者達はおよそ5割の500人。

最初はだいたい2000人程度だから4分の1の人数なんだよ。

あ、心配しなくても特待生は絶対卒業できるから。

授業は入学試験の結果により免除され、なおかつ、普通の生徒よりも実力がある人物を普通は学院内に入れるから。

そして、学院に入るにあたって特待生であろうがしないといけない義務はあるけど、それは理事長から聞いてね。

他の質問はある?」


フラスの質問に悟は、ないと答えて、他の3人も話を理解したようで、ないと答えた。


そして、フラスは悟達に背中を向けると学院内に足へ運んだ。

悟達は急いでフラスについていく。


真っ先にフラスに案内されたのは学院内の1番奥にある建物で、フラスは職員用の建物だと言っていた。

職員用の寮もあるため、マンションのような建物だ。


そして、その最上階にある一室に案内された。

部屋に入るための扉には可愛く理事長の部屋と書かれた看板があった。


その扉をフラスはノックして向こうから声が聞こえると失礼しますと言って中へと入る。

悟達もフラスへとついていくとそこには、エルフの尖った耳が特徴的な女性が机を隔てて座っていた。


部屋は本をしまうための本棚が立ち並び、その中に書類がちらほらと見かけられる。


「初めまして、私はアステル学院で理事長をしているラーズ・リンクといいます。よろしくね。」


「初めまして、俺は神崎 悟といいます。

今回は学院に特待生として入学できるということで来ました。

よろしくお願いします。」


悟に続いて、美穂と、アスタロト、サーシュが挨拶をした。


「じゃあ、この4人で入学するんですね?」


確認のためか、ラーズが聞いてきた。


「もちろんそうです。まさか、ここまで連れてきてそれは無理とか言わないですよね。」


「それはもちろんよ。けど、一応特待生でも実力は見ておきたいから、試験はしたいかな。」


「理事長、それなんですけど提案があるんです。」


「提案?フラス先生言ってみて。」


「明後日、トーナメント形式のクラス対抗戦があります。そこでの成績を見てはいかがですか?

もし、そこで彼らの実力がわからなければ、一ヶ月後にある、個人トーナメント戦に出てもらえればいいですし。もしかしたらあの6強入りするかもしれないですよ。クラス4強入りも同じくです。」


「なるほどね。それじゃあ、どうしようかな。

4人には現在クラス最下位であるクラスへ行ってもらいます。

そして、明後日行われるクラス戦で、良い成績を残してください。

悪くても別にいいですが、ここでの成績は強さに比例するので下級生にも舐められますよ。」


「はいわかりました。」


悟の返事に同調して美穂達は首を縦に振った。


フラスもその提案には問題無いと頷いていた。


「いい返事ね。

あなたがたには期待をしてるので裏切らないでね。」


理事長のラーズがプレッシャーをかけてくる。


「心配せずとも優勝してみせますよ。

むしろここの生徒の心が折れないか心配です。」


ラーズのプレッシャーをものともせず、逆に煽る悟。


「あなた面白いわね。そういう子は私好きよ。

じゃあフラス先生、これから彼らが暮らすところに案内してあげてください。」


ラーズに指示されたフラスは悟達をつれて理事長室を出て行った。


「へぇー、あの子がシューラを倒したのね。

これからの成長が楽しみだわ。

でも、あの子の隣にいたアスタロトとかいう名前の女の子、どこかで名前を聞いたことがあると思うんだけどなー。

確か、魔王のなんとかって言われてたような……。

まぁ、気にしても仕方ないし、彼らには頑張ってもらわなくちゃね。

それよりもシューラがここに入ってくるなんてね。今日は槍でも降るのかしら。」


理事長つぶやくが誰も聞いているものはいなかった。



------




「ここが、君たちが暮らすところだよ。」


フラス先生に連れてこられたのは、一軒の家だった。

二階建てで、見た目はごくごく普通の家だ。


「え?ここが寮?」


「どう見ても普通の家なんだけど。」


「もしかして魔法で…」


「お前らアホだろ、どっからどう見ても普通の家だろ。」


3人が訳のわからないことを言っているので悟がつっこんだ。


「そうだよ、悟君の言った通り、普通の家だよ。」


3人の疑問に答えるフラス先生。


「え、だって昨日、寮に住んでもらうとかなんとか言ってたし。」


「あぁ、あの時のことね。

あの時言ってからよくよく考えてみたら特待生は寮が無いんだよ。

でもその代わり、これみたいな家が貸し出されるんだ。」


すっかり忘れてたと笑いながらフラスが言っている。


「まぁまぁ小さいことは気にしないで、中に入りなよ。」


フラスは家の扉を開けて悟達に手招きをする。


家の中は普通だった。

外から見てもわかっていたが、左右対称の造りになっている。

地下もあり、その中は家よりも広かった。

単純に広いだけのスペースだが、よく見てみれば、壁が特殊な金属でできている。

もしかすると訓練や実験をするための部屋なのかもしれない。


「ここはすごいな。特殊な金属でできている。」


悟が素直な感想を述べているとフラスが近づいてきた。


「でしょ〜、ここの家は何かと特殊らしいんだよね。

ここの学院ができる前から建っているんだって。

それを学院を建てるために邪魔に思った先代の人がこの家を壊そうとしたんだ。

けど、結果は今の通りまだ建っている。

当時のことはわからないけど、理事長が言うには、破壊は無理らしい。」


「家自体が破壊できない……か。」


悟が思案顔で少し顔を俯いている。


「なるほどね。じゃあ、私とアスちゃんとシューラはここで訓練が出来ちゃう訳ね。」


「私としてはありがたいな。

普通に魔法を訓練したらどうなるかわからないし。」


「しばらくここにいるんだし悟にいろいろなことを教えてもらおうかなー。」


悟以外の美穂、アスタロト、シューラの3人もそれぞれここの使い道について考えているようだ。


美穂とシューラはともかく、アスタロトは魔族だからそもそものスペックが違うし、おそらく、魔王の娘ともあって格別だろう。

だから、アスタロトにとってはここは都合がいいのかもしれない。

手加減なしで魔法を撃てるのだから。


「とにかく、ここを気に入ってくれてよかったよ。

じゃあ僕はこれで失礼するよ。

僕にも他に用事が有るし、暇では無いからね。」


「あぁ、助かった。ありがとう。」


悟に合わせて美穂達も感謝の言葉を述べた。


「また明日ここに来て、君たちのクラスへと案内するから今日はじっくり休んでね。

多分、明日は君たちの実力をクラスのメンバーに見せてもらうことになるだろうからね。

あ、それと、各部屋のクローゼットの中に制服が入ってるから着替えててね。」


「わかった。」


「じゃあね。また学校で。」


フラスは別れの言葉とともにどこかへと消えるように家から去っていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ