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26話 訪問者

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前日にシューラとデートをした悟は、昼まで城の外へと出かけた。

その悟を探してサーシュ達は駆けずり回り、冒険者ギルドで悟を見つけ、用件を伝えた。


「城へ戻ってくれ。なにやら、2日前のバトルロワイヤルを見てアステル学院の教員が悟とアスタロトを呼んでる。」


悟は、サーシュからアステル学院と聞いて急いで城へと戻った。

サーシュはその場で別れて一緒に悟を探していたメンバーを探しに行くようだ。


悟は城へと着くと、真っ先に客室へと足を運ぶ。

城に着いた時にシューラのどうりょうの女性が客室にいると教えてくれた。

どうやらアスタロトは先に話を済ませたらしい。


そして扉を開くとそこにはアスタロト、美穂、シューラ、そして、カレンの4人と1人の男性がいた。


そして、悟は静かに美穂の隣へ座ると男性が口を開いた。


「改めて挨拶をさせていただきます。私はアステル学院の教師をしております、フラス・シューベルトと申します。生徒からは気軽に、シューベルト先生やフラス先生と呼ばれています。以後よろしくお願いします。」


フラスの挨拶に合わせて悟達が挨拶していく。


最後に悟が挨拶をしたところで、またしてもフラスから口を開いた。


「悟くん、大会での戦いは見させてもらいました。まずは優勝おめでとうございます。」


「どうもありがとうございます。」


「それでは、早速私が来た目的について話をさせていただきます。

単刀直入に申します。悟くんとアスタロトさんには学院に入っていただきたい。」


フラスは笑顔を少し崩し、真面目な顔をして話をした。


「それは、優勝した時の特待生として入学する権利ですか?

それとも、学院から直々に招待してくださると?」


「後、私からも1つ、どうして私もなんですか?」


「まず、悟くんの疑問ですが、今回のバトルロワイヤルでの成績と実力を見た上で、学院から直々に招待いたします。

そして、アスタロトさんの質問ですが、アスタロトさんも同じく、バトルロワイヤルでの成績と実力を見て判断しました。」


「お受けします。」


「そ、そうですか、それは良い返事をいただきました。」


フラスは、悟が即決したことにすこし驚いていた。

普通なら少し、話を聞いてから決める生徒が多い中、悟のように即決、あるいはすでに入ることを決めていた生徒は少なかった。


「ですが、私たちは現在旅をしてます。なので旅仲間も一緒でなければお受けできません。」


「それは心配ありません。

先ほども言ったとおり、これは学院からの直々の招待ですので、多少のお願いは受け入れます。

だから、旅の仲間も一緒に特待生として入学できますよ。」


「そうなんですか。……じゃあ、いつぐらいに学院へ行けばいいですか?」


少し、悟は安心したように美穂の方を見た。

少しシューラが悲しそうな顔をしている。


「うーん、できれば早ければ早い程いいから明日にアステル学院の方へ来ていただければと思います。」


「ですが、その、場所が……。」


「大丈夫ですよ。今日はここで寝泊まりをさせて頂き、明日またここに来て、一緒に転移するので。それから荷物などは寮があるのでそちらの方へ運んでください。

アステル学院周辺は街がありますので、そこで家を買ってそこからアステル学院へ通学することも可能です。

それは特待生としての特権です。

その場合は、家具を自分で購入してもらうこととなりますが。」


「わかりました。それでいいです。明日またお願いします。」


「では私はこれで失礼します。」フラスは扉を開け、部屋から立ち去った。


そして、そのまま客室で、今後の話をカレン達と悟達の5人で話し合った。






そして、時間が経ち、日はすでに落ち、月が顔を見せていた。


そのころになると、昼では騒がしかった街も静けさを取り戻し、ところどころに明かりが見える程度となっていた。


コンコンと悟が城で泊まっている部屋の扉が音をたてる。


「悟、夜遅くにすまない、ちょっと少しいいか。」


扉の向こう側で悟に尋ねたのはシューラだった。


「入っていいぞ。」


そっと音を立てないように扉を開けたシューラはパジャマ姿だった。


普段の格好とは全然違うピンクの寝間着だ。

ところどころに花の模様があり、いかにも女の子という感じの寝間着である


「こんな遅くにどうしたんだ?」


「ちょっとお願いがあってな。」


「そうか。じゃあ早く済ませよう。いくらシューラといえど、夜遅くに男の部屋にその格好で入ってくるのはまずいと思うしな。」


「そ、そうだな。勘違いされかねないな。

ここに来て話したかったのは、明日ここを出るときのことだ。」


シューラは自分の髪をいじりながら恥ずかし気に言った。耳がせわしなくぴょこぴょこと動いている。


「あぁ、明日の事か。まぁ、急に明日って事になったし話したいことがあるんだろ?」


「そ、そうなの。」


シューラの口調がいつものから女性らしいものへと変化していく。


「それでだけど、明日、出て行く時に……、私も連れて行って欲しい。」


「それは別に構わないが、理由を聞いていいか?

あと、もし行くとしてもカレンの許可がいるだろ?」


シューラは、王女直属の部隊に所属している。

だから悟がカレンの許可がいると聞いたのはもっともだった。

これがもしシューラが部隊の新人なら認められたのかもしれない。

だが、シューラは部隊の隊長を務めている。

実力も部隊の中で1番なので抜けた後のシューラの穴埋めをしなければならないだろう。

そのため、悟はカレンの許可を得ずにシューラが付いてくるのでは?と思っていた。


「カレン様の許可はもうすでにお願いして取ってあるから大丈夫。

サーシュにお願いして私の抜けたあとは隊長を務めてもらうから。

サーシュならみんなもついていくと思うしね。」


「そうか。」


「あと、理由なんだけど、悟についていきたいから。

それともう1つ、もっと強くなりたい。

その目的に達するには悟についていくのが1番早いと思った。

この2つが主な理由よ。」


「別についてくるのは構わないが、ついてきても強くはなれないと思うぞ?」


「それでも構わないわ。」


「そうか。ならついてきたらいい。

じゃあ話はこれで終わりだ。

俺はもう寝るからもう自分の部屋に帰れよ。」


悟はベットに滑り込んで、毛布を体にかける。


「じゃあ、また明日。おやすみなさい。」


「おやすみ。」


悟の寝ている姿をチラッと見てからシューラは入るときと同様に静かに扉を開け自室へと戻っていった。


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次回から学園編スタートです

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