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25話 シューラとのデート

お楽しみください


今日はシューラとデートをすることになった。


2日前は美穂と過去の話やこれからのことを話し合った。


昨日はアスタロトとデートをするはずが、闘技場でバトルロワイヤルをすることになった。


悟としては、2日とも楽しかったのだが、なんというか、んー、デートなのかな?という感じだった。




シューラとの待ち合わせは公園だった。


ベンチが1つだけあり、ブランコやジャングルジム、すべり台が並んでいる。


日本では、シーソーは事故が多発して公園から徐々に見られなくなっていったが、ここでもそうなのだろうか。


悟がベンチで待っているとシューラが手を振りながら来た。


シューラは身軽な格好をしていた。


張り裂けそうな胸元が目立っている。


「お待たせ。じゃあ行こっか。」


シューラが手を差し出してきた。


「うん。」


悟はそう返事するとシューラの手を取り握りながら公園をあとにする。


「今日はどうするんだ?」


悟とシューラが公園から離れしばらく歩いた。


「今日は、悟にここ、アルテマを案内しようと思って色々行こうと思ってるんだ。」


「そうなんだ。それじゃあ楽しみにしとくよ。」


「大船に乗った気でいていいよ。」


シューラの一言で2人が笑う。


さらにしばらく歩いてから人気が多くなった。

目の前には大きな遊園地が見える。

入り口にアーチがあり、ようこそ、アルテマ遊園地へと書かれていた。


「じゃじゃーん、ここが最初の場所で、アルテマ遊園地だよ。

アルテマでは有名で人も結構来るんだよ。」


「遊園地か、すごい人だな。」


「結構有名だし、家族連れも多いからね。

デートスポットとしても有名だよ。」


「そうなのか。じゃあ一緒に入ろうぜ。」


「もちろん、そのために来たんだから。」


シューラが自信満々に胸を張ったため、ただでさえ張り裂けそうな服がはちきれそうになっていた。


悟は目をそらし顔を赤くしながらシューラの手を取ると遊園地の中へと足を運んだ。


中は、すごく人が多かった。特に子供が多い。


「最初はどれ乗る?」


悟が、シューラにどれに乗るかを聞く。


「確か、あっちに順番待ちにかかる時間が書いてあったから見に行こうよ。」


シューラに案内されるがまま悟がついていくとそこには大きな看板のようなものがあった。


各アトラクションの待ち時間を示している。


一番長いので、アルテマライトコースターというアトラクションで、3時間待ちだ。


他にも2時間待ち、1時間待ちなどがざらにあり、一番短いので、ダークファンタジーというものらしい。


どうやらシューラに聞いてみると傾向としてジェットコースターのようなアトラクションが人気で待ち時間が長くなるそうだ。

それと並行して、小さな子供向けのアトラクションも待ち時間が長くなる傾向にあるのだとか。


なぜそんなにここについて知っているのか気になったのでシューラに聞いてみたところ、カレンがときどき城から抜け出して、遊びに来ていたらしく、その護衛として一緒に回っていたのだとか。


色々と大変だな女王様のお守りも……。


しばらくして、シューラと相談して一番人気のあるアルテマライトコースターというのに乗ることになった。


3時間待ちと聞いて互いのことを待ち時間の間に話していく。


シューラは、捨て子だったらしい。それを先代の王が拾って育てあげたのだとか。

そして、先代の王が死にその娘だけが残った時シューラは10歳だった。

当時11歳だった王女はまだ子供だ。

シューラも子供だが、王を近くで見ていたため、知識と戦いのセンスだけはずば抜けていた。なのでカレンを陰で支え続けたらしい。

ときどき城から抜け出して遊びに行くのも王女としての仕事が多く子供らしく遊べないため、ときどきぐらいはいいだろうと見逃していたのだとか。


シューラは捨て子だったため城で疎まれていた。だが王女についていくのを見て他の者が感化されてシューラにもついてきたのだとか。それでできたのが王女直属の部隊だ。


実際には王女直属というよりも、シューラが王女に仕えているため他の女性兵士も仕えているといった感じらしい。


シューラのことだからカレンを裏切ることはないだろう。

もちろんそれを知ってカレンはシューラに部隊の隊長を一任しているのだろうが。


そしてシューラが話し終えると悟が自分の話をしていく。


過去にあった両親が目の前で殺されたこと。

その犯人を死んでもなお刺し続け、美穂とその家族を守るために探したこと。

結局、美穂は助かっていたものの家族は守れなかったことなど今に至るまでを話した。


もちろんルシファーのことについては一切触れていない。

目的についても同様だ。

そのことを話してシューラの人生を狂わせるわけにはいかないからだ。


「そうか、悟も結構辛い過去を背負ってるんだな。

私よりも辛い過去だな。」


「え?なんでそう思うんだ?」


「だって、私は親の顔さえ知らないし、愛情だって与えてもらえていない。だけど、悟は愛情を受け育った。

そして、急にいなくなってしまった。

その時の悲しみは計り知れなかっただろう。」


シューラが悲しそうに言った。


「バカか、シューラは。」


「え?」


悟の思いがけない一言に惚けた顔になるシューラ。


「あのな、さっきも言ったけど、俺は両親が目の前で殺された。そして、犯人をナイフで刺して殺した。」


「うん。」

シューラはそれに頷く。


「だがな、俺は泣かなかった。

いや、泣けなかった。

なぜかはわからない。だが、泣けなかったんだ。

その時、悲しいなんて思ってなかった。

しかも、美穂とその家族を守ろうとする余裕さえあった。

だから俺は、あの時のことを辛いとは思っていない。

むしろ、あの出来事があったからこそ俺はここにいると思ってるよ。」


「悟は強いな。憧れるよ。

私はそこまで強くなれない。」


シューラの顔により一層影が増す。


「強い?

いったい何を勘違いしてるんだ?」


「いや、だって、そこまで強く自分を保てるのが」


「はぁ、自分を保ってる?

バカ言うな。俺だって泣く時は泣く。

俺にとって大切な奴ほど悲しさも増す。

俺にとって両親がそれほど大切ではなかっただけの話だろ。

美穂やアスタロト、シューラがいなくなれば泣く自信があるぞ。」


突然話を遮られたシューラは悟の話に驚いていた。


そして、その言葉の意味を理解して、赤面する。


「私が大切……、自慢にならないと思うよ?」


「真面目にボロ泣きするぞ?」


その一言でシューラは笑いながら顔を上げる。


「悟って、やっぱりかっこいいよ。それに強いし。」


「俺がかっこいい?いったいどこからそういうふうな話になったんだ?」


「ひ・み・つ。」


シューラは腰を曲げて、上目遣いで口元へ右手の人差し指を持ってポージングしながら言った。


悟はそれを見て呆気にとられていたが、シューラは悟に背中を向けると満面の笑みで待ち時間を過ごした。

悟から見るとシューラの尻尾がブンブンと振られていた。

耳もぴょこぴょこと動いていたので嬉しかったのが丸わかりだ。







そしてジェットコースターの順番が目の前に迫った。

どうやら悟とシューラは一番前に乗るらしい。

ジェットコースターは20人乗りで2人座れる椅子が10個縦に並んでいる。


それぞれの席に人が座ると安全バーを下ろしいよいよ出発だ。


ジェットコースターは、スタートしたと同時にスピードを上げる。どうやら魔法を使って加速させているらしい。

横に移動しているだけなのにだんだん早くなる。

そして急に上に上昇する。

真横の壁に立っているような感覚を味わえる。

下を見ると人がアリのように小さくなっていた。そしてジェットコースターがスピードを緩めいよいよ頂上へと差し掛かる。


そしてジェットコースターはそのまま急降下、スピードをどんどん上げお客さんの悲鳴を残して走っていく。


急降下していくと同時に回転していた。


「「「キャーーーーーー」」」


そして、急に地面と平行になり急降下で得たスピードを落とさずに右へ左へ、時には一回転して20人の、お客さんを翻弄していく。


そして、ジェットコースターが終わった頃には全員が疲れ果てていた。

乗る前のテンションの高さが嘘のように消えている。


1人を除いてだが。


「ねぇねぇ、楽しかったね。」


「なんでそんなにテンション高いんだ?」


「だって、ジェットコースターだよ?

楽しくて仕方なかったよ。悟も楽しかったでしょ?」


「楽しかったのは楽しかったけど怖かった。」


そんなことを言った悟を見て笑っているシューラ。


そして、アトラクションの次は昼食にすることになった。


気がつくともう日は、真上に差し掛かっていた。


よくよく考えたら朝から3時間も立ちっぱなしで待っていたんだから昼になっているのは当たり前ではあるが。


昼食はシューラがお弁当を作って持ってきていた。


ここの遊園地内でも食べることができるが、お弁当を持ち込むことが可能なのでベンチに座って、一緒に2人で食べるカップルが多いのだとか。

遊園地内のレストランへは家族連れが主だ。


悟はたくさんのベンチにカップルが座っている中、あいているベンチを見つけ、シューラと一緒に座った。


シューラがお弁当を出して悟にわたす。


今回は、普通のお弁当だった。

でも、味はとても美味しかった。

いろんな料理が少しずつ分けられており、朝から頑張って作ったのだということがわかる。


「シューラ、美味しかった。ありがとな。」


「う、うん。どういたしまして。」


シューラは悟からお弁当箱を受け取ると、カバンの中へしまいこんだ。


「次はどこ行く?」


「ごめんね、今日はここまでにしとく。

私、無理言って悟とデートすることにしたから。」


「そ、そうか。」


どこか悲しそうなシューラ。


「だから、今度は2人で時間のある時にまた来ようよ。」


「今日は楽しかったし、またお願いすると思う。」


「あのなんだけど、もし、私が悟達について行って……」


「ん?どうしたんだ?」


「ううんなんでもない。じゃあ帰ろっか?」


シューラが悟に手を差し出す。それを悟は握って、手をつなぎながら城へと戻った。


-----------------------------------


「で、今年のアルテマのバトルロワイヤル形式の大会はどうだった?」


「面白そうな連中がいましたよ。しかも中にはあのシューラ殿までいました。」


どこかの部屋の中で話をしている男女2人。


女性は椅子に座っていて、エルフの尖った耳が目立っている女性だ。見た目は20代だが、実際の年齢は計り知れない。


男性は、女性とは違って椅子に座らず立って話をしている。

男性は少し歳をとった人で、今、出かけてきたのかこの場に似合わない冒険者のような格好をしている。


「あちゃー、じゃあ、シューラちゃんが勝つに決まってるじゃない。今年はそこから特待生はこなさそうね。じゃあ次の案件だけど……、」


「いや、それが……」


「ん?どうしたの?」


「実は、シューラ殿は3位です。」


「え?、3位ですって?」


「はい。しかも、相手はこの学院の一般生徒ぐらいの年齢でした。」


「すごいわね、天才かしら。まさか、あの戦姫に勝てる逸材がいるなんて。しかも2人」


「いや、それがですね。」


男はバトルロワイヤルがどう動いたのかと、シューラがどういった具合で負けたのか、それと、その後どうなったのかを女性に説明した。


「なるほどね。1番のその少年に興味があるかな。

シューラ相手に剣技で真っ向勝負、しかも搦め手無しでしょ。

普通にここで先生できるぐらいじゃない。

しかも、それまでに4位と5位で戦ってるし、ハンデを背負ってて勝つ余裕があったのね。


でも、その2位の少女もすごいわね。

幻惑魔法を使って数を減らすなんて。

普通、幻惑魔法はかければかけるほどに効果は薄れてあまり効果がないのだけど、そこまでの干渉力となると相当ね。」


2人の少年少女の話に興奮したのか矢継ぎ早に女性は話を加速させる。


「そうですね、私でもあれを見てからだと勝てるかどうか怪しいですね。」


「確保してきて。」


「はい?」


「絶対に2人を確保してきなさい。

そのためなら多少の無理は許すわ。

お金が欲しいならあげるし、他の子も一緒にっていうんだったら一緒に特待生として招待しても構わないと伝えて。」


「そこまでして理事長がおっしゃられるとは珍しいですね。」


「ここは学校よ。しかも三大学院の1つ。

でも近年レベルが少しずつ下がってきてるから他の学院に学院大会で負け続きだし、その子が入ってきたら現状も変わるかなと思って。

そうあなたも思わない?」


「そうですね、もしあの少年がこの学院に入れば周りの生徒達への影響は計り知れないでしょう。良いものも、悪いものもね。」


「大丈夫よ。悪い方はあの子が抑えてるし、良いものの影響しかないと思うわ。」


「そうですか。

では、早速その少年少女を見つけ、確保してきます。」


「あなたばかり苦労かけるけど、その分給与は弾むから安心して、フラス先生。」


「はい。

では、行ってきます。転移」


男性は言葉を言い終わった後、搔き消えるようにどこかへ行ってしまった。


「あ、そういえば、次の案件を処理しないといけないのに……、はぁー。」


しないといけないことを思い出し、ため息をつく女性。

だが、仕事の案件を話す相手がどこかへ行ってしまったので、仕事が進まないということになった。


「仕方ないか…。」


女性は諦め顔で、目の前にある机の引き出しから1冊の本を取り出して読み始めた。


本は「女性の魅力の上げ方」と書かれていた。



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