↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユウ王戦記 ~三妃 七竜 十三宝 を揃えて異世界で王になるまで~  作者: しいか
第3章 メガロポリス分裂編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/104

戦記74「町の中」

 いやぁ~、

 女性ってほんっとうにスバラシイものですねぇ。

 それではみなさん、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ


戦記74「町の中」


 舞姫と一緒に朝を迎えた後のこと、


「ゆうべもお楽しみでしたね」


 もはやお前はそれ以外にセリフがないのかといいたくなるが、八割方身に覚えがあるので反論もできない俺を見送るボウさん。


「留守中、頼む」

「心得ました。お迎えよろしくお願いします」


 最低限の打ち合わせは…変な意味ではなく、まっとうな意味での打ち合わせは済ませてあるので、細かい部分はボウに任せておけば大丈夫だろう。


「ユウ様、足りないものはございませんでしょうか?」

「問題ない。慣れない土地でよく手配してくれた。ありがとう」

「いえ、それがボクの務めですから!」


 はつらつに応えるハンは、昨夜から今日の昼にかけて、城や町を回って食糧や薬…この前の戦争で格納している量に不安があったものを中心に揃えてくれた。

 本人にはいっていないが、必須ではないがあったほうがいいモノだったり、集めるに難しいものはほとんどなかったため、難易度としてはたいしたことはなかったのだが…とにかく仕事自体は完遂してくれた。

 欲を言えば、気を利かせて多少余計に集めてくれたりするとよかったのだが、あくまで欲を言えばの範疇だ。言ったことをしっかりとやってくれるなら、問題ない。むしろ出来もしないのに、下手に気を回すあまり余計な仕事ばかり作ってしまうのも考え物だ。


「でも、あの、手配した荷物はどこにいったのでしょうか?」


 ハンには、まだ俺の能力に関してはいってない。故に当然でてくる質問だが…


「必要な分は、すでにご主人様がお持ちになっております。他は在庫として備蓄してあります。他に質問は?」


 などと、ボウが説明する。

 まぁ、実際は全部ご主人様たる俺が格納しており、在庫も備蓄もないのだが、ウソではないのでよいだろう…一応、旅するにあたり皮袋ももってるし、納得してくれたようだ。


「期待してる。いない間、ボウのサポートよろしく」

「はい、お任せ下さい!」


 期待している、に気分をよくしたのか、笑顔で答えるハン。

 その笑顔に、遠巻きにこちらを眺めていた女中の何人かがほうっと息を漏らしていた。

 正直羨ましい…と思わなくもないが、


(いいんだ、俺には舞姫様がいるから…)


 などと考えていると、イン竜が考えを見透かしているかのような張り付いた笑みでコチラを見てくる。


「なにか?」

「いえいえ、なにも。ほんとーに、お供とかなしで大丈夫かなーと思いまして」

「まぁ、足りない人手を補うために行くんだし、こっちにだって人は必要だろう?」

「まーそうなんですけどね」


 戦争で失った兵を所属でみると、イン竜の配下…主に隠密や連絡を担う兵士が圧倒的に多い。絶対数でいえば一般兵が勝るが、元から数が少ないゆえ、割合でいえば甚大な被害といっていいだろう。その原因は、セン竜…どこの所属かわからなかったあの女竜が、少しづつ、だが確実に配下を葬っていたからだ。

 補うために、募集と訓練はすぐさま始めたようだが、モノになるには時間がかかるし、教師役にも人員を割かないといけない。


「ただ、忘れてるのかなーって思う時があるのでいっておきますが、ユウ王ー様も重要人物だってこと、忘れないでくださいね?」

「わかったわかった」

「ならいいですが…泣くことになるのは、死んだ人じゃなくて、残される方ですからねー?」


 口調こそいつもの通りだが、目が真剣みを帯びている。

 その『残される方』が誰を指しているかは、尋ねるまでもない。


「泣かせないよう、努力する」

「ま、そーしてください」


 俺だって結婚前に未亡人にさせる気はないしね?

 などと思っている矢先、


「某は、お主が死のうが一向に構わん」

「うん、だろうね、そういうと思った」

「だがまぁ…そう簡単にくたばるとも思ってはいない」

「はいはい、ご心配ありがとう」

「別に心配などしておらん!」


 清々しいまでにいつも通りのソウ竜を適当にあしらいながら、出迎えてくれた主要人物の中でも最重要人物に目をやる。


「じゃ、いってきます」

「はい、いってらっしゃいませ、ユウ様。どうぞ、ご武運を」


 誰も見ていなければ、キスぐらいねだったかもしれない…それぐらいの笑顔で舞姫様に見送られ、神楽月王宮を後にした。


(―そういや、歌姫様はこなかったな)


 昨日も途中で話を切り上げてしまったし、その後も食事会だ準備だとばたばたして結果相手ができなかったし、もしやお怒りなのだろうか?

 まぁ、俺も人の子とは言えないが、話をかけて気分屋なところもあるし、行って戻ってくる頃には怒りが静まっていることを祈るとしよう。


「よっし、ひとまず町までよろしく」


 戦争の後、鈴星や神楽月を行ったり来たりする時用に借り受けた馬に跨り声をかけ、森を抜けていく。

 行軍なら別として、単騎の早がけなら、王宮から鈴星近くの国境の町まで、普通にいって一日半。そこからさらに一日半程度かけると、鈴星の王宮へと辿りつく。

 ただしそれは普通の場合で、特別な飼育と装具を施された、今乗っているこの馬なら一日半~二日ほど。だいたい半分~七割程度の時間で辿りつく計算だ。

 とはいえ、思いのほか出発の時間が遅くなってしまったため、予定通りの進行とはいかないだろう…遅くなってしまった理由は、昨晩舞姫様を構いすぎたせいで朝が遅くなってしまったためであるが、後悔はない。

 実は、早馬に揺られている上に睡眠時間が短いせいでやや気分がよろしくなかったりするのだが、だからといって後悔はない。後悔はない。後悔はないが、体調が悪いのは渾然たる事実である。酔い止めなども飲んでみたりしたが、酔いは止まっても体力が戻るわけではない。


(―こりゃ早々に休んだ方がいいかもな)


 そう思い、予定よりも早く休憩を取ることにする。

 足を止めたのは、国境境の町の一つ手前…村と町の中間とでもいうような場所だ。

 立ち寄ったことがない町故に勝手知ったるとはいかないが、まぁ神楽月は神楽月なので、いうほど真新しい驚きがあるというわけでもない。

 木製の建物が立ち並ぶ大通り沿いを歩き、馬小屋のある宿屋に部屋をとるなど、一泊を明かす準備を一通り済ませる頃には、空に星が輝く時間になっていた。


(―さて、どこか適当に食事できるところはっと)


 個人的には、酒も飲まずに酒場にいるのもどうかなと思うので、定食屋のようなところか屋台などが好ましい…が、あいにくその手の店がなかなか見当たらない。早いとこ休んで翌朝は早めに出発したいことや、一応は王の身分なので、あまり顔を晒してこちらを知っている人間にみつかるのも避けたいのだが…

 そんなことを考えていた矢先である。


「あ、おにーさーん」



 と、物陰から声をかけられる。

 聞き覚えはないが、確かにこちらに向けられた声である。


「こっちこっち、こーっちこっち」


 こっちこっちと時計みたいだな、などと思いながら声の方に目をやると、大通りから外れ気味のところにある宿…周りに露出の多い女性が多いことから、売春宿と思われる建物から、こちらへと歩いてくる女性がいた。

 フードとマントで顔も体形も分かりにくくしているが、けして大柄というわけではなく、どちらかといえば引き締まった体つきのようにみえる。

 そんな女性を視界に収めながら、後ずさる。


「やーね、やーね、やーね、おにーさん商売女はお嫌い?」


 なおも近づいてくる女性。


「安くしとくから、一晩どぉ?」

「いやぁ、生憎だけど今夜はそういう気分じゃなくてね。どこか食事できるところを探してただけで」

「あらー。じゃぁあたし、いい店知ってんだ。おいでおいで、連れてったげる」

「いあいあ、そんなこといっておいしく頂かれちゃうかもしれないしね、なにせおねーさん、やり手でしょう?」


 気が付いてるぞ、とあえて女のマントの裏…微妙に膨らんだところ…女の大き目な胸、ではなく刃物の類に目をやると、女は女でだからどうしたとばかりに刃物を強調させるようにくねりながらこちらへと更に近寄る。

 そして、

 お読みいただきありがとうございます。

 前回長かった反動? で、今回は短めですが、その分早めのアップでございます。

 今回の章、ほんっとーに男性比率が少ないので、全国推定1.5人ぐらいのユウ王戦記に男キャラを望む勢の方(うち0.5人はボクの中にいる別のボク)の為にも、どこかで出していきたいなとは思うのですが、今しばらくは女性分多めでお送りいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。