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ナンバーズ  作者: アル治


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53/55

第53話  問いと答え

いつも読んでいただきありがとうございます。

No.13 「では始めようか。」

「私を納得させることが出来れば、この扉を抜けなさい。」

無 「判った。」

No.13 「そんなに構えなくてもいい。」

「納得といっても、私と話すだけだ。」

無は1度目を閉じ、ゆっくりと息を吐く。

肩の力を抜き、静かにNo.13を見つめた。

No.13 「無よ。」

「命とは。」

無 「奪ってはいけないもの。」

「助けなければならない。」

No.13 「奪ってはいけないのか。」

「では、助けられなかった時は。」

「お前が命を奪ったことになるのか。」

無は静かに俯く。

無 「……。」

「そうだ。」

「いや。」

「判らない。」

No.13は優しく微笑んだ。

No.13 「そうか。」

「お前は、そうやって命を見てきたんだな。」

「答えを言っているようで。」

「お前自身を話している。」

「私は、その答えが好きだ。」

No.13 「では。」

「信頼とは。」

無 「1人では出来ない。」

「1人にならないこと。」

「相手が決めること。」

No.13は静かに頷く。

No.13 「なるほど。」

「なかなか良い答えだ。」

「私も好きだよ。」

「では。」

「愛とは。」

無 「1人では出来ない。」

「複数に向けてはならない……かもしれない。」

「子供には愛。」

No.13 「ほう。」

「複数は駄目なのか。」

無 「判らない。」

No.13 「子供を愛したら。」

「子供だけなのか。」

無 「違う。」

「まだ判らない。」

「複数は。」

「悲しみを生む。」

No.13は静かに目を閉じる。

No.13 「そうか。」

「まだ判らないか。」

「それでいい。」

「判らない、と答えられた。」

「それも1つの答えだ。」

「知らないことを、知らないと言える。」

「それは弱さではない。」

「成長だ。」

No.13 「では。」

「時間とは。」

無 「止めてはいけない。」

「変わらないものもある。」

「でも。」

「進まなければならない。」

「悲しくても。」

No.13 「悲しくても。」

「進めるのか。」

「辛くはないのか。」

無は少しだけ俯き、小さく息を吐いた。

無 「辛い。」

「それでも。」

「進まなければならない。」

「時間は。」

「止めてはいけない。」

No.13はゆっくり頷く。

No.13 「そうか。」

「そこだけは譲らないんだな。」

「お前は時間が止まる悲しさを知った。」

「だから、その答えになった。」

「私は、その答えも好きだ。」

No.13 「では。」

「尊厳とは。」

無 「他人が踏みにじってはいけない。」

「自分で守らなければならないもの。」

No.13 「なるほど。」

「では。」

「自分自身なら。」

「踏みにじってもいいのか。」

無は答えようとして言葉を止める。

長い沈黙。

無 「……駄目。」

「いや。」

「判らない。」

No.13は静かに微笑んだ。

No.13 「そうか。」

「また判らないと答えた。」

「いい。」

「答えを決めつけなかった。」

「お前は少しずつ、自分で考えられるようになってきた。」

No.13

「肉体とは。」

無 「傷付けてはいけない。」

「虐待。」

「これは。」

「要らない。」

No.13は静かに目を閉じる。

No.13 「虐待だけは言い切るのか。」

「この世に生まれたものなのに。」

無 「生まれても。」

「あってはならない。」

「傷付けるために。」

「命は生まれない。」

No.13はゆっくりと頷いた。

No.13 「そうか。」

「生まれたから必要なのではない。」

「生まれても。」

「あってはならないものがある。」

「お前は、そう考えるんだな。」

無は静かに頷く。

No.13は優しく微笑んだ。

No.13 「答えは、1つではない。」

「人それぞれ違う。」

「だが。」

「お前は誰かの答えではなく。」

「自分で考え。」

「自分の言葉で答えた。」

「それで十分だ。」

白い空間に静かな風が吹き抜ける。

無は目を閉じる。

昔なら「判らない」で終わっていた。

だが今は違う。

判らないから考える。

判らないから経験する。

判らないから前へ進む。

今後もよろしくお願いいたします。

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