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ナンバーズ  作者: アル治


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45/49

第45話  法

いつも読んでいただきありがとうございます。

俺の名前は針山。

仕事はプログラマー。 腕だけはそれなりに評価されていて、会社では主任を任されている。

主任になってから、俺はもう一つの仕事を始めた。

――世直し。

この世は悪人ばかりだ。

真面目に働くより、悪事に手を染めた方が金になる。 そんな連中が偉そうな顔をして生きている。

それが、どうしても許せなかった。

だから俺は、プログラムにバックドアを仕込む。

悪人から金を奪い、 困っている人へ配る。

それが俺の仕事だ。

プログラムは完璧。 誰にも気付かれない。

盗まれた企業は、さらに高価なセキュリティソフトを求めてくる。

もちろん、それにもバックドアを仕込んでおく。

社員 「針山主任。義賊のおかげで、うちも儲かりますね。」

針山 「そうだな。高性能なソフトほど高く売れる。」

社員 「今年のボーナス、期待しちゃいますよ。」

針山 「俺たちの努力が、やっと報われたな。」

社員 「お先に失礼します!」

針山 「おう、お疲れ。」

社員が帰ると、針山は一人、完成間近のプログラムへ静かに細工を施した。

針山 「最初は安いソフトを買うよな……。」

画面に映る会社名を見つめ、小さく笑う。

「普通の会社を装ってるが、マルチ商法なのは調べがついてる。」

「次はここから頂く。」

「保護施設に送ってやらないとな。」

「自分ではどうにもできない人が苦しみ、悪人だけが裕福になる。」

「そんな世の中、おかしいだろ。」

作業を終え、会社を後にする。

夜。

まだ遅い時間ではない。

居酒屋で軽く酒と食事を済ませ、帰路につく。

ふと、営業中の喫茶店が目に入った。

針山 「たまには、うまいコーヒーでも飲むか。」

店内には客が一人。

ナポリタンを食べながら、クリームソーダを飲んでいる青年だった。

針山 「クリームソーダも悪くないな。」

小さく呟き、カウンターへ座る。

「マスター。ホットコーヒーを。」

マスター 「かしこまりました。」

その時。

クリームソーダを飲んでいた青年が、小さく呟く。

無 「義賊。」

針山は振り向き、青年と目が合う。

動揺はない。

針山 「今、話題ですからね。」

無はクリームソーダを一口飲む。

無 「犯罪。」

針山 「違いますよ。」

「犯罪なのは、金を盗まれた連中の方です。」

その瞬間。

針山の首筋に、**『10』**が浮かび上がる。

無 「No.10。」

針山 「……何の話です?」

「義賊のあだ名ですか?」

無は静かに針山を見つめる。

そして、もう一度だけ告げた。

「No.10。」

今後もよろしくお願いいたします。

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