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ナンバーズ  作者: アル治


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37/49

第37話  妥当?適切?

いつも読んでいただきありがとうございます。

無は陸の笑みを気にすることなく問い掛けた。

無 「必要なのか。」

陸 「当たり前だ!」

「好きになったら、ひとつになる。」

「それが愛だ。」

無は静かに首を傾げる。

「No.3。」

「違った。」

「だが、愛だった。」

陸 「またNo.3か。」

「知らないけどさ、好きだからひとつになるんだ。」

「それが恋人だろ?」

無の脳裏に、No.4の女性が浮かぶ。

娘を愛し、その想いだけで10年もの時を止めた女性。

触れることも、抱き締めることも出来ない。

それでも、確かに愛だった。

無 「愛する者の為。」

「全てを止めた。」

「No.4。」

陸 「そんなの知らない。」

「触れなきゃ愛は伝わらない。」

無 「……確かに。」

触れたい。

近くにいたい。

その気持ちは理解出来た。

だが――

何かが違う。

無 「No.7。」

「それは愛じゃない。」

陸 「愛は触れてこそだ!」

「相手に触れて、ひとつになって、初めて愛なんだ!」

無 「違う。」

陸 「好きならひとつになる!」

「好きだから抱き締める!」

「好きだから触る!」

「当たり前だ!」

無 「自分だけ。」

陸 「俺だけじゃない!」

「みんなそうだ!」

「ひとつになれば、もっと好きになる!」

「触れなきゃ愛は深まらない!」

無 「相手は。」

「本当にそうか。」

陸 「やってみなきゃ分からない!」

「断るから分からないんだ!」

無 「同じ気持ちじゃない。」

「自己都合。」

陸は一瞬言葉を失う。

無 「相手が嫌なのに。」

「するのは」

「違う。」

陸 「好きなんだからいいだろ!」

「好きならする!」

「好きなら触る!」

無 「好き。」

「だから触る。」

「一緒じゃない。」

陸 「……。」

無 「好きでも。」

「嫌は」

「ある。」

陸 「好きなのに……?」

無 「ある。」

「だから聞く。」

「だから確かめる。」

陸 「……。」

無 「好き。」

「合意。」

「にはならない」

「成立しない。」

その瞬間。

陸の首筋に刻まれた『7』へ、大きな亀裂が走る。

陸 「なんで……。」

「好きは……合意じゃないのか……。」

無 「違う。」

陸 「俺は……。」

「好きって言われたら。」

「全部、受け入れてくれると思ってた。」

「俺は……。」

「相手の気持ちを。」

「聞いてなかったのか……。」

首筋の『7』が砕け散る。

光が部屋を包み込む。

陸の姿は静かに消えていった。

止まっていた太陽が動き始める。

ホテルは消え、公園には人々の笑い声が戻ってきた。

無は空を見上げ、小さく呟く。

無 「愛……。」

「性欲……。」

「必要なのか……。」

その時。

前を歩く雫と友人の声が聞こえてきた。

雫 「この前の人さ。」

「やっとけば良かったかな……。」

友人 「雫。」

「ネットで知り合った男は気を付けなよ。」

雫は苦笑いを浮かべる。

「男の人だって、したいんだろうし。」

「でも、あの人は凄い勢いだったから。」

「ちょっと引いちゃったんだよね。」

2人は笑いながら歩いて行く。

無はその背中を見送り、小さく呟いた。

「……必要だな。」

太陽だけが、静かに街を照らしていた。

今後もよろしくお願いいたします。

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