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ナンバーズ  作者: アル治


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32/48

第32話  No.6

いつも読んでいただきありがとうございます。

夕暮れ。

スーパーへ続く道を、あの青年が汗だくになって走っていた。

無は何も言わず、その後を歩く。

青年はスーパーへ飛び込むと、真っ直ぐアイス売り場へ向かった。

冷凍ケースを1つひとつ覗き込み、必死に何かを探している。

暑さに耐え切れなくなったのか、長袖を少しだけまくった。

その瞬間だった。

腕には、紫色に変色した痣がいくつも残っていた。

青年は気付いていない。

いや、気にする余裕すらないのだろう。

首元の汗を拭う。

その拍子に、首筋には火傷のような跡も見えた。

青年はアイス売り場を一通り見渡す。

目的の物が見つからなかったのか、小さく舌打ちをすると、慌てて店を飛び出し、近くのコンビニへ走っていった。

無もゆっくりと店の外へ出る。

店先には、以前青年と一緒にいた女性が立っていた。

落ち着きなく辺りを見回し、苛立った様子で誰かを探している。

女性は無に気付き、駆け寄ってきた。

「すみません。」

「主人を見ませんでしたか?」

無は静かに答える。

「見た。」

女性は安堵したように表情を緩める。

「どこですか?」

無は短く尋ねる。

「どうした。」

女性は困ったように笑った。

「帰りが遅いんです。」

「心配で……。」

無は静かに答えた。

「あった。」

「腕。」

「変色。」

女性の表情が、一瞬で消えた。

「……それは問題ありません。」

無は首を傾げる。

「そうなのか。」

女性は迷いなく答える。

「そうです。」

「それは、愛です。」

無はその言葉を繰り返す。

「愛……。」

その言葉には覚えがあった。

娘を想い続けた母親。

胸の奥が温かくなる、あの感覚。

無は静かに首を振る。

「違う。」

女性は声を荒らげる。

「違わない!」

「これが愛なのよ!」

「私の愛!」

女性の首筋に、黒い『6』がゆっくりと浮かび上がる。

無は静かに見つめた。

「それは違う。」

女性はさらに語気を強める。

「違わない!」

「私は愛しているの!」

「だから叱る!」

「だから傷付ける!」

「全部、あの人のためなの!」

首筋の『6』が、脈打つように濃く染まっていく。

女性は無へ詰め寄る。

「ねぇ……。」

「主人はどこ?」

「早く教えて。」

「私の主人なの。」

「心配なの。」

無は静かに答えた。

「知らない。」

女性の表情が歪む。

「どこって聞いてるでしょ!!」

無は静かに告げる。

「No.6。」

「言いなさい!!」

その怒声が響いた瞬間――。

夕陽が止まる。

風が止み。

人の足音が消えた。

世界は静寂に包まれる。

無は静かに女性を見つめた。

今後もよろしくお願いいたします。

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