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ナンバーズ  作者: アル治


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20/29

第20話  みんなの幸せ

いつも読んでいただきありがとうございます。

「パパは誰なの?」

少女は笑っていた。

悪意は全く無い。

知りたいだけ。

「みんなパパだよ♪」

麗奈は笑った。

しかし。

その笑顔は少し硬かった。

「変なの!」

少女は笑う。

「パパは1人だよ!」

「そうか」

無は少女を見る。

「1人か」

「うん!」

「航平パパ?」

「達也パパ?」

「湊パパ?」

「誰なの?ここに居ないの?」

「……」

答えられない。

その時。

「麗奈」

航平が呼んだ。

優しい笑顔。

「今日は達也のところに行くの?」

「え?」

「昨日は俺の所だったし」

「今日は達也の所だろ?」

笑顔。

優しい声。

しかし。

その目は笑っていなかった。

「……」

「そうだよね?」

麗奈の肩が震える。

「う、うん♪」

「そうか」

笑顔だった。

「よかった」

でも。

悲しそうだった。

『3』

数字が脈打つ。

「麗奈ちゃん!」

達也が話し掛けてくる。

「今日、一緒にご飯食べよう!」

「昨日、航平さんと一緒だったんでしょ?」

「今日は僕の所だよね?」

笑顔。

優しい声。

しかし。

「だよね?」

その奥に。

不安。

寂しさ。

恐怖。

が見える。

「うん♪」

「もちろん!」

「やったー!」

達也は笑う。

しかし。

その笑顔も。

少しだけ。

泣きそうだった。

「……」

無は空を見上げた。

青空。

花畑。

笑顔。

「変だ」

「え?」

麗奈が振り返る。

「みんな」

「笑っている」


「うん♪」


「でも」

「悲しそうだ」

『3』

数字が大きく脈打つ。

「そんなことないよ♪」

「みんな幸せ」


「うん」


「幸せなの」


「うん」


「だから」

「悲しくない」


「うん」


「泣いてない」


「うん」

「……」

無は静かに麗奈を見る。

「泣いている」

「え?」

「お前も」

「航平も」

「達也も」

「泣いている」

「違う!」

初めて。

麗奈が叫んだ。

「違う!」

「みんな幸せなの!」

「みんな笑ってる!」

「だから!」

「だから……」

麗奈が泣きながら、

「だから……」

「泣いてない……」

少女が不思議そうに見上げる。

「ママ?」

「どうして泣いてるの?」

『3』

黒い数字。

大きく、大きく。

脈打った。

続く

今後もよろしくお願いいたします。

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