第18話
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第十八話 嫌われたくない
夕暮れ。
誰も動けずにいた。
航平も。
達也の姉も。
麗奈も。
そして無。
「……ごめん」
最初に口を開いたのは航平だった。
「少し」
「頭の中を整理したい」
笑おうとするが
笑えない。
「ごめん」
「今日は帰る」
「航平くん!」
麗奈が手を伸ばす。
「待って!」
「嫌!」
「行かないで!」
航平は振り返らない。
「ごめん」
「今」
「優しく出来る自信がない」
「……」
「ごめん」
1度も振り返る事なく、
夕日に歩いていった
「航平くん……」
麗奈の足から力が抜けた。
その場に座り込んでしまった。
「嫌……」
「嫌だよ……」
「嫌われたくない……」
涙が止まらない。
達也の姉も泣いていた。
「ごめんなさい……」
「本当は」
「怒鳴るつもりだったんです」
「貴女も泣きだしてしまって……」
「もう」
「分からないんです……」
そう言い残し。
頭を下げて去っていく。
残されたのは。
2人。
「……」
「……」
無。
そして。
麗奈。
「ねぇ」
「私って」
「悪い子なの?」
無は少し考える。
「分からない」
「ひどいよぉ……そこは嘘でも……」
泣きながら笑う。
「いつもそうなの」
「分からないよ……」
「そうか」
「でも」
「嫌われたくない!」
「うん」
「1人になりたくない」
「うん」
「好きなの!」
「うん」
「みんな大好きなの!」
「うん」
「変?」
「分からない」
「もう!」
少しだけ笑った。
その時。
♪♪
スマホ。
『達也♪』
麗奈の顔が曇る。
出れない。
♪♪
着信は止まらない。
『達也♪』
『達也♪』
『達也♪』
震える指で。
電源を切った。
「……」
「嫌われる」
小さな声。
「嫌われちゃう」
「嫌だ」
「嫌だよ……」
『3』
黒い数字。
脈打つ。
「みんな」
「好きなのに」
「どうして……」
「1人しか」
「駄目なの……?」
その瞬間。
風が止まる。
雑踏が消える。
音が消える。
夕陽が止まる。
世界が静止する。
「……」
無だけが目を開く。
「来たか」
麗奈は涙を流したまま。
立っていた。
そして。
ゆっくり顔を上げる。
さっきまでの明るい少女ではない。
泣いている。
それなのに。
笑っていた。
「ねぇ」
「無くん」
「どうして?」
『3』
黒い数字。
大きく。
大きく。
脈打つ。
「好きって」
「そんなに駄目?」
今後もよろしくお願い致します。




