第17話 嫌わないで
いつも読んでいただきありがとうございます。
「好きなのに……なんで……」
麗奈は泣いていた。
『3』
黒い数字が脈打つ。
航平は言葉を失っていた。
達也の姉も泣いている。
そして。
無だけが静かに見ていた。
「……なんでだよ」
航平の声は震えていた。
「俺…」
「何か麗奈にしたのか?」
麗奈は首を何度も横に振る。
「してない!」
「航平くんは優しいもん!」
「じゃあなんでだ!」
「俺だけじゃ駄目だったのか!?」
「違う!」
麗奈は涙を流す。
「違うの!」
「航平くんも好き!」
「達也くんも好き!」
「どっちも大好きなの!」
航平は苦しそうな顔をした。
「そんなの」
「分からないよ……」
「俺には……」
「分かりたくないよ……」
達也の姉が頭を下げる。
「ごめんなさい」
「うちの弟も」
「きっと本気なんです」
「だから」
「だから苦しいんです……」
誰も怒鳴らない。
誰も殴らない。
ただ。
みんなが泣いていた。
その時。
♪♪
スマートフォン。
麗奈の身体が震える。
『達也♪』
「……」
出られない。
「出てあげろよ」
航平だった。
「え……?」
「出ろよ」
「心配してるんだろ」
「航平くん……」
「俺……」
航平は笑おうとした。
でも。
笑えなかった。
「優しくしたいんだよ」
「好きだから」
「でも」
「キツイんだよ……」
麗奈の瞳から涙が溢れる。
「嫌」
「嫌だよ……」
「嫌わないで……」
「お願い……」
「嫌われたくない……」
「1人にしないで……」
その言葉。
無は静かに顔を上げた。
『1人』
『嫌われたくない』
胸の奥。
少しだけ痛い。
No.2。
「寂しかった、か」
あの言葉。
あの涙。
「……」
無は麗奈を見る。
泣いていた。
航平も。
達也の姉も。
みんな。
泣いていた。
「悲しい」
無が小さく呟く。
「……え?」
麗奈が顔を上げる。
「みんな」
「悲しい」
「うん」
「みんな」
「泣いている」
『3』
黒い数字。
大きく脈打つ。
麗奈の瞳が揺れる。
「……」
「どうして?」
「私」
「好きなのに……」
「どうして……?」
夕陽が泣き顔を照らす。
そして。
誰よりも泣いていたのは。
麗奈自身だった。
今後もよろしくお願い致します。




