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ナンバーズ  作者: アル治


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16/20

第16話  すき

いつも読んでいただきありがとうございます。

「航平くん♪」

麗奈は満面の笑みで手を振った。

「麗奈!」

航平も笑顔だった。

優しそうな青年。

数日前、スーパーで一緒にいた男。

「偶然だね!」

「うん♪」

「その人は?」

「うん!」

航平は無を見る。

「こんにちは、こないだの!」


「うん」

「彼氏だったな」


「はい」

少し照れながら笑う。


「そうか」

「えへへ♪」

麗奈は嬉しそうだった。

その時。

1人の女性が麗奈に近付いて来る。

30代くらい。

見知らぬ女性。

「麗奈さん?」

「はい?」

女性は深く頭を下げた。

「お願いです」

「弟と別れてください!」

「……え?」

「達也は私の弟なんです」

「来年、結婚予定なの」

「最近、貴方の話ばかりして……」

「お願いします」

「弟を返してください」

麗奈の顔から血の気が引いた。

「達也……?」

隣にいた航平の笑顔も消える。

「……麗奈?」

「今」

「達也って誰?」


「え?」


「誰なんだ!」

麗奈は固まる。

「ち、違うの……」

「違わないだろ」

初めて。

航平の声が低くなる。

「麗奈」

「答えてくれ」

その時。

♪♪

スマートフォン。

『達也♪』

画面に出ている。

3人の視線。

「あ……」

麗奈の顔が青くなる。

航平は画面を見ていた。

『達也♪』

女性は泣いていた。

「弟です…」

「達也は私の弟です」

「返してください……」

航平は何も言えない。

ただ。

信じられない。

そんな顔だった。

「……なんで?」

小さな声。

「俺じゃ……」

「駄目だったのか?」

麗奈は涙を浮かべる。

「違う!」

「違わない!」

「航平くんも好きなの!」

「達也くんも好き!」

「本当に好きなの!」

航平が目を見開く。

「……は?」

「何言ってるんだよ」

「好きって…」

「そんなの!」

「おかしいだろ……」

麗奈は泣き出した。

「嫌いにならないで……」

「お願い……」

「みんな好きなの……」

「みんな大切なの……」

「嫌われたくない……」

姉も泣いていた。

航平も傷付いて泣いていた。

麗奈もなぜか泣いていた。

そして。

『3』

黒い数字。

大きく脈打つ。

無は静かに見ていた。

悲しい。

胸の奥。

少し痛い。

「……」

「みんな」

「泣いている」

誰も悪人には見えなかった。

それなのに。

みんな。

傷付いていた。

「どうして……?」

麗奈は泣きながら呟く。

「好きなのに……なんで……」

『3』

数字が。

ゆっくりと。

脈打っていた。

今後もよろしくお願い致します。

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