第15話 恋する人
いつも読んでいただきありがとうございます。
数日後。
公園のベンチ。
無はコンビニのおにぎりを食べていた。
「お兄さん!」
聞き慣れた声。
「いたー♪」
麗奈だった。
「そうか」
「そうかじゃないよぉ!」
「偶然だね♪」
両手を後ろに組み。
楽しそうに笑う。
「隣いい?」
「うん」
「やった♪」
麗奈は嬉しそうに座った。
「お兄さん、友達いなそうだもんね!」
「そうか」
「怒らないの?」
「たぶん」
「変な人♪」
麗奈は楽しそうだった。
「あ、まだお腹空いてる?」
「うん」
「待ってて!」
小走りで売店へ向かう。
数分後。
「はい♪」
肉まん。
「ありがとう」
「どういたしまして♪」
「美味しい?」
「うん」
「やった!」
本当に嬉しそうだった。
「優しいな」
無が呟く。
「え?」
「優しい」
麗奈は目を丸くする。
そして。
少し照れたように笑った。
「そんなこと初めて言われた♪」
「そうか」
「うん♪」
「嬉しい」
その時。
♪♪
スマホ。
「ごめんね♪」
画面を見る。
『航平♪』
麗奈は笑顔になる。
「もしもし?」
「うん!」
「今日?」
「もちろん♪」
「会いたい!」
嬉しそうな声。
「うん♪」
「大好き!」
通話終了。
「彼氏か」
「うん♪」
幸せそうな顔。
「好きなんだな」
「うん!」
「大好き♪」
嘘のない笑顔。
しかし。
♪♪
再び着信。
『達也♪』
「ごめんね♪」
「もしもし?」
「うん!」
「大丈夫!」
「うん♪」
「私も大好き!」
「日曜日楽しみにしてるね♪」
切れる。
「忙しいな」
「えへへ♪」
「みんな忙しいから!」
みんな。
「そうか」
「うん♪」
「みんな頑張ってるからね!」
そして。
「私ね」
「恋してる人見るの好きなの♪」
「幸せそうでしょ?」
「うん」
「だからね」
「好きな人が笑ってると嬉しいの♪」
無は麗奈を見る。
嬉しそうだった。
幸せそうだった。
『3』
黒い数字。
静かに脈打つ。
その時。
「あ……」
麗奈の表情が変わる。
少し遠に
1人の男。
昨日の彼氏だった。
男もこちらに気付く。
「麗奈?」
麗奈の顔から血の気が引いた。
そして。
次の瞬間。
満面の笑み。
「航平くん♪」
手を振る。
しかし。
無の隣。
食べかけの肉まん。
そして。
スマホの画面。
『達也♪』
まだ。
通話終了から1分も経っていなかった。
『3』
黒い数字が。
大きく脈打った。
麗奈の笑顔。
その奥。
一瞬だけ。
泣きそうな顔が見えた。
今後もよろしくお願い致します。




