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『戦国姫の脳内戦略会議』  作者: れんれん


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234/243

214話 天下構想軍議

夜。

安土城の大広間。

そこに並ぶのは織田の重臣たち。

織田信長

その前に座るのは

豊臣秀吉

柴田勝家

丹羽長秀

前田利家

滝川一益

皆、静かだった。

信長が酒を口にする。

そして言った。

「戦の話ではない」

重臣たちは顔を上げる。

信長が続ける。

「西は間もなくまとまる」

「九州も時間の問題だ」

勝家が頷く。

秀吉は黙って聞いている。

信長は地図を広げた。

日本列島。

その全体図。

信長の指が動く。

「問題は」

「その後だ」

静まり返る部屋。

秀吉の心の声。

(来た)

(殿の次の話)

信長は言う。

「天下を取った後」

「何をする」

誰も答えない。

勝家は腕を組む。

利家は眉を寄せる。

秀吉は考えている。

信長は笑った。

「分からぬか」

信長はゆっくり言った。

「戦を終わらせる」

空気が変わる。

勝家が言う。

「殿」

「天下を取れば」

「戦は終わります」

信長は首を振る。

「違う」

「戦は終わらぬ」

重臣たちが顔を見合わせる。

信長は言った。

「武将は戦う」

「領地を求める」

「名を求める」

信長の目が鋭くなる。

「だから」

「仕組みを作る」

秀吉の目が光る。

(仕組み)

信長は続ける。

「城は減らす」

勝家が驚く。

「城を?」

信長は頷く。

「多すぎる」

「反乱の元だ」

信長の頭には

里見で見た光景があった。

港。

市場。

人の流れ。

信長の心の声。

(城より)

(町の方が国を強くする)

信長は地図の海を指す。

「港を増やす」

秀吉が言う。

「交易でございますな」

信長は頷く。

「そうだ」

信長は続ける。

「南蛮との交易」

「鉄」

「薬」

「火薬」

「技術」

信長の目が光る。

「戦で国は強くなる」

「だが」

「商で国は豊かになる」

秀吉の頭が回転する。

(なるほど)

(戦の次は商)

利家が言う。

「殿」

「武士はどうなります」

信長は答える。

「武士は守る」

「戦ではなく」

「秩序を」

勝家が低く言う。

「兵が余ります」

信長は笑う。

「町を作れ」

皆が黙る。

信長は言った。

「道を作る」

「港を作る」

「市を作る」

信長の声は静かだった。

「国を作れ」

秀吉の心の声。

(これは…)

(戦の話ではない)

(国家の話だ)

信長は続ける。

「税は下げる」

一同が驚く。

信長は言った。

「だが」

「量を増やす」

秀吉が笑う。

「交易量で取る」

信長は頷く。

「そうだ」

勝家は腕を組む。

「戦国の世とは思えませぬな」

信長は笑った。

「だから終わらせる」

その言葉は静かだった。

だが重かった。

信長の頭には

あの光景が浮かんでいた。

里見の港。

笑う民。

南蛮船。

信長の心の声。

(戦のない町)

(あれが国か)

信長は言った。

「西をまとめる」

「東は同盟でも良い」

滝川が言う。

「東国は」

信長は言った。

「無理に取らぬ」

秀吉が驚く。

「上杉でございますか」

信長は頷く。

「強い」

「だが」

「敵にする意味はない」

信長は笑う。

「商をすれば良い」

秀吉は心の中で笑う。

(殿)

(本当に変わった)

昔の信長なら

全て焼いていた。

だが今は違う。

秀吉は思う。

(里見の姫)

(影響か)

信長は立ち上がった。

そして言った。

「天下とは」

重臣たちを見る。

「戦で取るものではない」

信長の目は静かだった。

「続くものだ」

誰も言葉を発しない。

だが

全員が理解した。

信長は

戦国の次の時代

を考えている。

そしてその夜。

秀吉は一人で呟いた。

「桜殿か」

秀吉は笑う。

「天下人の考えを変えるとは」

「恐ろしい姫だ」

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