閑話 幸せな結末
里見義堯は深く息をつき、静かに声を上げた。
「よかろう。これにて、まな姫と悠真殿の婚姻を正式に認める」
義堯の声に、家臣たちは一瞬息を呑み、そして静かに退出していく。
書院には、まな姫、悠真、そして悠真の父、高橋忠清のみが残された。
義堯は立ち上がり、二人を正面に見据える。
「家臣たちには下がってもらった。これにより、今日の発言は正式な婚姻の約定となる。今後の手続きは追って伝えるがよい」
まな姫は緊張しつつも、目を逸らさず、義堯の言葉を受け止める。
(……これで、私の意志も、悠真殿の誠意も、父上に認められた……)
悠真は深く頭を下げ、忠清に目を向ける。
「父上、まな姫殿と共に、これから歩む覚悟でございます」
忠清は静かに頷き、落ち着いた声で返す。
「悠真、心得ておるな。まな姫を守り、支えること。そなたの覚悟を認める」
義堯は二人を見渡し、満足げに微笑む。
「……よし、これで里見家の未来に、新たな一歩が刻まれたな」
まな姫は小さく息をつき、悠真の方を見上げる。
悠真は穏やかに微笑み返し、互いの気持ちがようやく、家族の前で公に認められたことを確かめ合った。
桜は少し離れた場所で静かに見守る。
(……これで、設計者としての役目もひとまず完了……二人の未来は、自分たちで築いていくのだ……)
後書き
まな姫の婚姻をどうするのか、正直悩みました。
まな姫には恋愛を経験してもらいつつ
里見義堯の後継としての役目も果たすことが叶う。
心の揺れを皆さんにも少しは感じてもらえていれば幸いです。




