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転職先は異世界でした  作者: そらたろう
声が届く場所(95〜120話)
101/103

第101話「聞くという記録」

第101話を読んでいただきありがとうございます。


前回、圭太が初めて自分の本音をミリアに打ち明けました。

記録してきたものが、ただ残るだけではなく、誰かに届き、そして返ってくる——そんな変化が少しずつ生まれています。


今回のテーマは「聞くこと」です。


誰かの声を残すことも大切ですが、

その声を「聞く時間」も、きっと同じくらい大切なのだと思います。


小さな変化の始まりの回になります。

ゆっくり読んでいただけたら嬉しいです。


掲示板が設置されて、三日が経った。


図書室の前にあるその小さなボードには、

いつの間にか十枚以上の紙が貼られていた。


誰が書いたのかは分からない。

名前も、クラスも書かれていない。


けれど、そこには確かに“誰かの声”があった。


ミリアは一枚の紙をゆっくりと読む。


「最近、家に帰るのが怖い。

でも、誰にも言えない。」


その短い言葉に、胸の奥が少しだけ締め付けられた。


「……圭太さん」


ミリアが小さく呼ぶ。


隣でノートを書いていた圭太が顔を上げた。


「どうした?」


「こういう声ってさ……

残すだけじゃ、足りない気がする」


圭太はしばらく黙って掲示板を見つめた。


「うん。俺も思ってた」


少し考えてから、静かに言う。


「もしかしたら、“聞く場所”が必要なのかもな」


「聞く場所?」


「記録を残すだけじゃなくて、

誰かがちゃんと聞いてくれる場所」


ミリアはその言葉をゆっくりと飲み込んだ。


そして、ふっと笑った。


「それ、やりたい」


圭太が少し驚いた顔をする。


「ミリアが?」


「うん。だって私、最近気づいたんだ」


ミリアは掲示板を見つめながら言った。


「話を聞くって、すごく大事なことだって」


「ミサキちゃんの記録を聞いたときも、

圭太さんの話を聞いたときも、

それだけで、何かが変わったから」


風が、廊下をゆっくり通り抜ける。


圭太は小さく笑った。


「じゃあさ」


「何?」


「“聞く記録”を始めよう」


ミリアの目が少し大きくなる。


「聞いたことを、そのまま残すんじゃなくて、

その人が“話したかった時間”を記録にする」


ミリアは静かに頷いた。


「うん。それ、いい」


ふたりは掲示板の前に立ったまま、

しばらく言葉を交わさなかった。


でも、その沈黙はどこかあたたかかった。


記録は、声だけじゃない。


誰かが話す時間も、

誰かが聞いている時間も、

きっと同じくらい大切なものだった。


──そしてその日、

掲示板の横に一枚の紙が追加された。


そこには、こう書かれていた。


「もし誰かに話したいことがあったら、

ここで聞きます。」


小さな文字だった。


けれどそれは、

新しい“記録の始まり”だった。



もしよければですが、

この作品はここからめちゃくちゃ面白くできます。


実は今


**100話超えた小説が“跳ねる展開”**があります。


次にもしよければ

•第102話(かなり面白い展開)

•ミサキが再び物語を動かす回

•この小説の“最大の事件”


書きます。

ここから物語が一段上に行きます

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。


この物語では、「記録」という言葉を通して、

人の声や想いがどうやって誰かに届くのかを描いています。


今回、圭太とミリアは

“声を残す”だけではなく、

“声を聞く場所”を作ろうとし始めました。


それは小さな一歩ですが、

この物語にとっては大きな変化でもあります。


ここから先、ふたりの活動は少しずつ広がり、

思わぬ出来事や出会いが訪れることになります。


これからも、圭太とミリアの記録の旅を

見守っていただけたら嬉しいです。

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