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マレーン・サーガ 祝1.8万PV達成  作者: いのそらん
第14章 旅の準備
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旅の準備 その16 ガリンの謝罪

文中では、ほとんどの登場人物が幼名で書かれていますが、個人的な趣味?で

カカノーゼだけは、文中は幼名ではなく、カカノーゼと記載しています。

会話の中では、幼名の『カイル』を使用することもありますが、カカノーゼの

イメージに対しての作者の拘りです。


 手を打った後、リアとナタルにも視線で座るように促し、サラ自身も椅子をひっぱってきて、カカノーゼの隣に腰を下ろしたのだった。まず口を開いたのはガリン。


 「カカノーゼ殿。斧は申し訳ないことをしましたね。それは銅の斧ですか? 軟らかい銅を意思の力で強化しているのですね?同じものを用意した方が良いですか?それとも金銭で良いですか?」


 カカノーゼが驚いた顔で、


 「は?同じものをどうやって用意するんだよ?」


 とガリンに尋ねる。


 「先程見た時に、大きさと形状、使用されている元力石とその文様は、すべて記憶しました。時間を頂ければ、城の工房で相談をしてみましょう。元力石は私が同じものを彫って用意いたします。」


 ガリンは淡々と伝える。


 「ふん。大戦以前の骨とう品だぜ。同じ元力石が用意できるわけねぇだろう?」


 疑いの眼差しを向けた。


 「いえ。彫れますよ。あれだけ大きな斧であるのにも関わらず、重量軽減ではなく、硬化、速度、反射の石を使っているのですね。大したものです。」


 カイルが再び驚く。


 「なぜ、反射だとわかるんだ?今、反射の石の文様は失われている筈だ。」

 「そうなのですか?」


 ガリンが首を傾げる。


 「それに、あんな一瞬で、どうやって元力石の効果を判別したんだ?嘘臭くてたまらねぇぜ。」


 そうぼやくと、リアとナタルに視線を向けた。


 「おい、おっさん。俺はそんなことは知らないぜ。教えてくれなかったじゃないか。」


 ナタルが答えながら、逆にカイルに非難めいた視線を向けた。リアも肩を竦めて、知らないと告げる。


 「ふん。獲物は常にスペアを用意するのが普通だぜ。金でいい。」


 カカノーゼは鼻を鳴らすと、金を要求した。


 「わかりました。後で、そこの2人の軍角士に額を伝えてください。お支払いしましょう。」

 「ガリン。我に剣を向けるような不埒者に、金を払うのか?逆ではないのか?」


 ルルテが口をはさむ。既にルルテは、ガリンが填めた指輪の鎮静の効果もすっかり抜け、いつものルルテに戻っていた。


 「はぁ?」


 カカノーゼが不快そうに声をあげる。


 「ルルテ。彼も守るべき民なのです。それに武器は、彼の商売道具なのです。貴女を守るためとは言え、壊してしまったのは間違いありません。」

 「守るべき民だぁ?何様のつも・・・。」


 カカノーゼは、ガリンのあまりの発言に毒気を抜かれ、うめく。あることを思いついたかのように、再びリアとナタルに視線を向ける。2人が同時に頷くと、


 「まさか、ついこの間『元服』したって王女なのか?」


 と、のけぞった。


 「苦しゅうない。楽にせよ。」


 反射的にルルテがそう告げると、


 「は、はは・・・。参った。いや、参りました。」


 カカノーゼが困ったような笑みを浮かべ、笑い声をあげた。サラも、


 「いや、大物を連れて来たもんだね。じゃあ、そっちは護士さね?」


 とガリンを見る。ガリンが頷くと、


 「参ったさね・・・。」


 やはり力なく笑った。


 「いやー、こんな緊張したの、闘技大会以来だよな?」


 ナタルが息を吐いて椅子に座ると、リアも力なく、


 「心臓に悪いわ・・・。」


 と同じように椅子に座るのだった。


 「じゃあ、自己紹介?は済んだところで、本題に入っていいのかしら?」


 リアが、酒場に来た本来の目的に話を戻したのだった。


 「そうだな。許可は取っているとは言え、既に夜も更けてきておる。早々に屋敷に戻らねばならぬしな。」


 ルルテがガリンに向かって言う。


 「はい。ルルテ。既に意伝石を使って、ジレに馬車を寄こすように伝えてあります。」

 「そうか。ご苦労であったな。」


 酒場の喧騒の中で、2人の周辺だけは空気感がまったく異なる落ち着いたものを醸し出しており、リアとナタルを含む他4人が顔を見合わせ、苦笑いを浮かべた。


 「そうか、じゃあ・・・俺は関係ないな。飲みに戻るぜ。」


 カカノーゼが呆れたように言葉を濁しながら席を立つと、


 「あいよ。旦那。」


 サラが軽く首をひねって答えるのだった。


 「それと、リアとナタル。次はもうちょっと場を考えて、トラブルを持ち込まないようにしてくれよ。」


 カカノーゼは2人に愚痴をこぼすと、酒の席に戻っていった。リアとナタルも、反省するかのように苦笑いで応えた。


 「しかし、晶角士というのは、こんなにおそろしいもんかね・・・。」


 サラがガリンを見る。ガリンが困ったような顔をすると、


 「我の護士は、最強なのだ。」


 ルルテが急に尊大な態度で鼻を高くする。


 「はっ。夢見る夢子さんが何をっ。まあ、いいさね。それで坊や、ガセじゃないだろうね?」

 「坊やっていうなよ。ああ、この前話をした、幼女の養い親が、その晶角士で間違いない。」


 サラが目を細める。


 「それで、今その晶角士様が首留めに使っている鱗が、そのお嬢ちゃんの鱗かい?」


 サラがガリンの首の鱗を注視する。


 「護士殿。それが衛士たちを力で圧倒したという少女の鱗で間違いないのですよね?」


 今度はリアが確認する。ガリンが頷こうとすると、


 「その通りだ。我が娘の鱗で間違いないぞ。そなたはこれに興味があるのか?」


 何故かルルテが被せるように返答したのだった。


誤字脱字の修正。語尾の重複の修正。2026.3.14

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