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人外少女と終末世界  作者: umt.s5
一章「贋造の街」
28/110

大っ嫌いだっ!

【前回のあらすじ】

舐めプ

「なぁに単にリアリティを追求した結果さ。何事もこだわりを持たなければとドクターも言っていたし。それに生臭いのは本当にせ――」


「あー、はいもう結構です、分かりました。もう聞きませんから絶対に。はい、おわりー。終了です」


「嫌よ嫌よも?」

「大っ嫌いだっ!」


 おちゃらけた二人の会話を無気力に耳に入れるユキノは思っていた。


 どうしてこんな奴らに私が負けなければならないのか。


 ――ある日のことだった。

 朝目覚めたら家族や街の人たちがマネキンに成り代わっていて、すぐさまこれは異世界なんだと理解したのだ。しかし大いなる力も技術も神様は与えてはくれなかった。


 そばにいるヒトと呼べる者は幼馴染みのノリだけ。


 彼もきっとこの異世界に呼ばれてしまったに違いない。そう思い話しかけてみるも、彼には私もマネキンも同じ「ヒト」として映っているようであり、所詮はモブでしかないのだと、そう見切りをつけていた。


 自分を何か特別な存在だと思いたいのは悪いことじゃない。

 みんな自分が一番大事で自分が世界の中心だと思っている。今の状況はそういう認識を確固とするには十分過ぎるほどで、気付いたら行動に移っていた。


 勇者たる私が何故この世界に呼ばれたのかを考えるため、時間を見つけては探索をした。


 何日も成果の上がらない日が続いたが、ある日を境に不穏な気配を感じることが多くなったのだ。


 闇から闇に紛れるように移動するそれは、異世界攻略において、一種のターニングポイント足り得ると判断した。


 気配を追って山間にまで足を伸ばすと遂にこの目にしたのは、異形の化物であった。


 小鹿のようではあるが、頭部が途中で寸断され、そこにおかしな仮面をつけている。

 最初の敵はコイツらだ、と喜んだ反面、恐怖が頭を支配した。


 今はその時ではないと必死に言い訳して繕うのが認められず、ほぞを噛んだ。

 諦めない――。


 その一心で彼らを追った。そして、数か月の探索の末、遂に根城を見つけることに成功したのだった。


 ――市街地近くの丘陵地。


 その上にある小さな旅館街の一角。みんなが幽霊屋敷と言って憚らず、近寄りもしないという曰く付きの建物――。


 ここには何かある。それは確信であった。


 私はそこに忍び込み世界の真実を知ったのだ。

 ――それはこの世界の歴史。


 宇宙起源の物質通称N細胞をめぐる戦争でこの世界はもうすでに滅んでいて、異形の化物が跳梁跋扈する世となっていること。


 ドクターとかいう狂人がそれをいいことに、かつてここに存在した街を再現して好き勝手やっていること。

 そして、ドクターがN細胞を用いて作り上げた寄生体『ナンバーズ』の存在。


 これを暴き斃して世界を取り戻すのが私の使命――。


 私は正しかったのだ。

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