第9話 Suzu
シアから見て彼女。スズは裏路地を走っていた。
先程見つけた白髪の女から逃げている最中だった。
スズは焦っていた。先制攻撃を仕掛けたにも関わらず、外してしまった。
「クソッ!!」
全部、全部あいつらのせいだ! 碌な指示も出さずにあいつらを誘導しろ⁉︎
ふざけるな。いつもこうだ。私はコマに徹し、あいつらは高みの見物。チームで最大の負荷を私に与え続ける。
それになんだ。今回も失敗したら、首を切る? ふざけるな。
殺す。
全員殺して、私が全てを取る。
その布石として、まずあの女を殺す。所詮あの雑魚チームの連れてきた雑魚だ。臆することはない。すぐに殺れる。
スズは路地の先に見える光に飛び出した。あの女の姿は見えない。
––––––––まぁいるはずないか、撒いたんだから。
スズは一度立て直すために先程に続き拠点に向かって歩き始めた。チャットで皆にそのことを報告すると、全員に否定の意思を言われた。
そんなこと関係ない。
––––––––私はもう指示には従わない。
スズを見た人が自然とスズを避けるようになっていた。その光景はまさしく異質だっただろう。それほどスズの表情は険しく、人を怖がらせるようなものだった。
スズはそれすら気にも止めず、スズはそこに向かった。
ヒソヒソ話すババアにも、臭いジジイにも、スズの怒りの矛先は向かなかった。
その時だった。
「見つけた。」
あの女の声が聞こえた。あのうざい声が。
その声のする方を見た。人混みの向こうに、あの白髪が見えた。
「私も見つけた!」
もう逃げない。確実に殺す。その勇気をくれたことには感謝する。
「それじゃぁ、しね、、、‼︎‼︎」
私は取り出した拳銃を、引き笑いとともに構えた。




