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スキル操作で現代ダンジョンを生き抜く!  作者: ももんが


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071:追跡者

更新が遅くなりまっした。

お楽しみいただければ幸いです。

 川越ダンジョンの祭壇部屋からポータルをくぐり、オレたちはB10層へと移動する。


 B10層は、オークキングがボスとして配置されていることは、すでに周知された事実だ。

 魔物の配置も、B8層でゴブリンキングが率いる魔物たちと近いことは分かっている。

 問題は、ポータルをくぐったあと、どの位置に出現するかだけだ。

 オレの予想では、オークキングの背面なんだけど、念のためどの位置に出ても対応できるよう、メンバーには事前に共有している。


 大方の予想通り、オークキングの真後ろだ。

 距離にして約五メートル。


 当初の予定通り、静かに攻撃パターンBのポジションを取る。

 事前にかけた隠蔽魔法『コンシールメント』の効果もあり、まったく発見されていない。

 

 そして……。


「一斉発射!!」


 オレの掛け声と同時に、オレ、アネゴ、ミクの三人は、オークキングの後頭部を狙い、魔銃を一斉に発射する。

 三つの魔銃からの射撃音はかなり激しく、撃った瞬間に魔物が驚く様子がうかがえる。


 オレとミクはフルオート、アネゴの魔銃にはセミオートしかできないため単発で攻撃を続ける。

 そして背後からは、ヒメがバフ魔法『ヘイストオール』『プロテクションオール』『ブレス』を順にかける声が響く。


 これで準備はすべて整った。

 オークキングに攻撃を与えながら、アネゴとミクは左右へと展開しながら攻撃を続ける。

 そこでようやく、オークキングは背後の敵に気付く。

 振り向きざまに右手に持ったウォーハンマーを振り上げた時、誰の魔弾かは分からないが、頭部に命中した。

 オークキングは、こちらに向かって倒れ込んでくる。


 オレたちは、オークキングの下敷きにならないよう回避するが、轟音とともに巻き上げられた粉塵からは逃れられなかった。


「くっそ。ホコリっ!」


 思った以上にあっけなくオークキングを討伐できてしまった……。


 粉塵が視界を遮るが、ドローンから送られてくる魔物の位置情報があるため、敵をロストすることはない。

 今のところ、他の魔物がこちらへ向かってくる様子もない。

 さらに、ミクの【気配察知+2】があるので、不意を突かれることはないだろう。


 難なくオークキングを倒したとはいえ、これで終わりではない。


 このフロアには、オークキングの支配下だった魔物が、まだすべて残っている。

 B9階層への階段まで行くには、この魔物たちをどうにかしなくてはならない。

 粉塵が収まる前に、次の指示を出す。


「視界回復後、移動開始する。隠し通路を捜索するため、この階層の魔物はすべて討伐する。まずは、手前のゴブリンアーチャー六体を優先で狙う」

「「「了」」」


 ドローンからの情報によると、B9階層への通路までの間に相当数の魔物が生息している。

 やはり、B8と同様に数体ずつが左右に分かれて配置されている。

 配置はこんな感じだ。


 ゴブリンアーチャー三体×2

 ホブゴブリン 二体×2

 ゴブリンウィザード 二体×2

 ホブゴブリン 二体×2

 ゴブリンキング 一体×2

 ゴブリンアーチャー 二体×2

 ホブゴブリン 二体×2

 ゴブリンウィザード 三体×2

 ホブゴブリン 四体×2

 ゴブリン 十体×2


 中心にゴブリンキングが二体配置されている以外は、8階層とほぼ同じ並びだ。


「みんな、そろそろ視界が開ける。アネゴ、ミクは手前のアーチャー優先。ヒメは魔法でサポートを」


 舞っていた砂ぼこりがようやくおさまり、視界が開けてくる。

 オレは六体のうち、一番遠い距離のゴブリンアーチャーの頭をレーザーサイトで狙う。

 アネゴとミクがいる方向から、魔銃の発射音が聞こえる。

 そのタイミングで、オレもそれに続き魔弾発射。

 よし! ヘッドショット成功だ。一発でゴブリンアーチャーを仕留めた。

 続いて次のゴブリンアーチャーを狙う。再びヘッドショットだ。


 まだ生き残っている二体のゴブリンアーチャーが矢を放つ。

 矢を射る前に全滅には至らなかった……。だが、このタイミングを見計らったようにヒメが詠唱する声。


「ウィンド」


 放たれた矢は、上空で狙った方向とは違う方へ、風で流されていく。

 この隙に、残りのゴブリンアーチャーも倒す。

 やはり、ヒメに風魔法を覚えてもらったのは正解だったな。


「ヒメっち、ナイスフォロー」

「ヒメ、ありがとう!」


 アネゴとミクはすぐに感謝を伝える。

 オレもヒメへとサムズアップ。


「この先しばらくの間、ヒメは魔法でフォロー。アネゴとミクは、オレの後方から取りこぼした魔物を討伐してくれ」

「「「了」」」


 移動を再開する。

 結果的には、ゴブリンキングの手前の『ホブゴブリン』『ゴブリンウィザード』『ホブゴブリン』らの群れは危なげなく倒し、ゴブリンキングの元に達する。


「右側はオレが攻撃する。三人は左側のゴブリンキングを攻撃!」


 三人が頷くのを見て、オレは右側のゴブリンキングへ向かう。

 魔銃を構えながら進み、七~八メートル位まで近づき、今度はグレネード型散弾を頭部を狙って発射する。

 命中後、魔銃でフルオート射撃を続けようと構えていたが、ゴブリンキングの頭が三分の二ほど吹き飛び、その場で倒れ込んだ。

 右側のゴブリンキングの討伐確認が済むと、すぐに左側のゴブリンキングに目を向ける。

 アネゴとミクの二人も、オレ同様に頭を狙っているが、まだ討伐とはいっていない。


 ゴブリンキングは、手に持つ大型のソードを振り上げながら、二人に近づいていく。

 マズいか?

 オレも頭部に狙いを定める。

 振り上げた大型ソードを、振り下ろすモーションに入ったので、魔銃のトリガーを引こうとしたその時、ゴブリンキングは突如膝から崩れ落ちる。

 三人も討伐に成功した。

 ほんのわずかな時間だけ、三人は顔を見合わせて労いの表情を浮かべたあと、移動再開の準備に移る。


 オレは三人に合流し、フォーメーションをし直してから、残りの魔物討伐のため移動を再開する。

 残りの魔物の群れ『ゴブリンアーチャー』『ホブゴブリン』『ゴブリンウィザード』『ホブゴブリン』『ゴブリン』も危なげなく各個撃破し、このフロアの魔物はすべて討伐した。


 あとは、隠し通路を見つけるだけだ。

 オレが見当をつけた場所は、入口付近、中央付近、最奥付近の三ヵ所。

 どの場所にも、通路が隠れてそうな窪みがある。

 ここから一番近い場所は入口付近にある窪みだな。


「とりあえず、この階層の隠し通路を探そうと思う」

「ヒカルの中では、どの辺を探すか決まってるの?」

「ああ、大体な。とりあえずあの辺だ」


 オレが見当をつけた入口付近の窪みを指差し、その方へと歩いていく。


「まずはこの辺りだな」

「ヒカルっち、すごっ! 戦いながら、こんな場所を見付けるとか!」

「ヒカルはすごいんだから」


 おいおいミク。すごいんだからって、誰目線だよ。


「ヒカルさまの視野の広さには感服いたします」


 ヒメは褒めすぎだからな。うれしいではあるが……。


「アネゴ、この辺をスパイク攻撃やってみて」

「よゆー!」


 軽く返事をしながら、その壁に近づき、躊躇なく魔銃のフロントでのスパイク攻撃を行う。

 ガッ!! と鈍い音と共に、その壁にヒビが入る。

 再度スパイク攻撃。

 さっきよりも響く音を立てながら、スパイク攻撃を受けた周辺三十センチの範囲が崩れ落ちる。


「おお、隠し通路発見?」


 アネゴが興奮気味で報告する。もちろんオレも目の前にいるから、わざわざ報告する必要はないんだけどね。

 

 人が入るには、まだ穴の大きさは十分ではない。オレはヒビが入った部分の壁に前蹴りすると、穴の大きさが広がって、人が入れるくらいの大きさになる。


「一発目から当たりか?」


 そうつぶやきながら、頭にライトを装備し、隠し通路へと侵入する。

 頭上のライトで奥の方を照らすと、通路が続いていることが分かる。


「三人は、この場で待機。もし魔物がくるようなら、魔物の侵入を阻んでくれ」

「「「了」」」


 三人にはこの場を任せて、オレは隠し通路の奥へと進む。

 神条ダンジョンの隠し通路と比べて、通路には少しゆとりがある。

 さらに奥へ進むと、遠方にジュエルボックスらしきものが視界に入り、あっさりとその場所まで移動することができた。


 そこで手に入れたジュエルボックス。

 開けると、その中には【スキル操作+1】のジュエルが入っていた。


 これをオレが使えば、更にスキルアップに貢献することができるのか?

 もしくは、オレ以外の誰かが使えるようにすれば、効率よくスキル強化をすることができるのかもしれない。

 まあ、どうするかは、ダンジョンを出たあとに相談だな。


 隠し通路から出てみんなと合流し、次の階層へと進もうとしたその時、博士から通信が入る。


「天真……ヒカルくん。ドローンからの情報で、おそらく神条ダンジョンから川越ダンジョンへと、数人が移動したようです」


 なに?

 オレたちの後を追って、ここまで来たっていうのか?


「移動した対象の画像を送りますか? ある意味笑えるんじゃないかと……」


 送られてきた映像が、ゴーグルに映し出される。

 ガチか……。

「なあ、博士……。これってあいつだよな」

「ですね……」


 次の階層を攻略すると、鉢合わせの可能性があるな。

 それなら、9階層はスルーして8階層を先に攻略するか。

 あいつらが、それなりに9階層を攻略してくれれば、あとでオレたちが攻略する際、それなりに軽減されるはずだ。


 そう判断し、九階層へ入る。なるべく交戦を避けながらB8階層へ向かった。


 ふっと思ったんだが、そもそも川越ダンジョンの9層って、あいつら攻略できるんだろうか……。

 まあ、指導員もいるんだろうから、何とかなるだろう……たぶんな……。





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