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スキル操作で現代ダンジョンを生き抜く!  作者: ももんが


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067:小手指ヶ原の情報収集

いつもお読みいただいてありがとうございます。

一日遅れの更新になりますが、お楽しみいただければ幸いです。


 川越ダンジョン完全攻略の前に、パーティーメンバーの強化を図りたい。

 特に藍澤さん。

 現在、まだ風魔法を所持していないため、風魔法のスキルジュエルを落とす魔物が生息している、小手指ヶ原ダンジョンに入ることを決める。


「小手指ヶ原ダンジョンなら、あーしに任せて」


 部室には、パーティーメンバー四人と博士、オニクが集まっていて、小手指ヶ原ダンジョン攻略のため、情報共有を進めている。


 千堂さんのインターン先が小手指ヶ原ダンジョンなので、千堂さん主体で基本的な方向性を決めるのが理想的だな。


「千堂さん、小手指ヶ原ダンジョンに関しては、頼りにしますのでいろいろお願いしますね」

「ういーっす!」


 戦術レベルまで踏み込んだ情報を、千堂さんから引き出そうとは思わないけど、ざっくりとした情報は確認できるはず。

 まずは出現する魔物と、風魔法のスキルジュエルを落とす魔物の確認を千堂さんに行うと、博士が横から話し出す。


「その情報は、私から共有しましょう。その前に確認をしたいのですが、本日の目的は、風魔法のスキルジュエルを落とす魔物を討伐する、のみでよろしいのでしょうか」

「その認識で間違いないかな。風魔法のジュエルを落とす魔物が出現する階層を巡回して、そのスキルジュエルを複数入手するまで周回する予定なので」


 博士は口元に手を当て、少し考える様子を見せたのち、自分が知りうる情報を話し始める。


「風魔法のスキルジュエル入手に限るのであれば、B1の階層まで潜れば十分だと思われますね」


 さらに博士は、把握している情報をオレたちに共有した。

 まずはこのダンジョンの基本情報。

 

 このダンジョンは、アンデッド系の魔物が非常に多い。

 もしかしたら小手指ヶ原という土地柄で、アンデッドが多いのかもしれない。

 何といっても、ここで出現するスケルトンは、鎌倉時代の雑兵を思わせる姿をしているんだ。


 そして出現する魔物のドロップについて。

 まずは、1Fで遭遇する魔物は、主にスケルトンとアンデットバットの2体。

 そのうち、アンデッドバットからは【風魔法+1】のドロップがまれに確認されているが、非常にドロップ率が低い。

 おそらく川越ダンジョンで、ゴブリンが【魔石+2】を落とすレベルだ。


 なので、最低でもB1層で遭遇する「スケルトンクロウ」か「カマイタチ」を狙うのが定説で、博士もこの階の周回をお勧めだということだ。


 そういうことなら、今回の小手指ヶ原ダンジョンではB1層の周回一択かな。

 さらに深く潜っても構わないけど、強敵と対峙するよりも今回は高リスクは避けて、低い階層を周回することにしよう。


 そして、ダンジョン自体の構成について。


 まず1Fに入ると、通路が上下4方向へと放射状に広がって、それが再び一ヵ所に集結して、最終的にはB1へ向かう通路手前で集合する形をしている。

 このダンジョンでは、B1へと向かう通路を除き、次の階層へ向かえる手前のフロアにボスが陣取っている。

 次の階層へ向かうには、そのボスを倒す必要がある。


 ボス戦が設けられていることで、実力不足の探索者が下層へ行き過ぎることを防いでいるので、無駄に命を落とすことが少ないダンジョンと言われている。


☆☆☆


 そして週末。

 今、オレたちは小手指ヶ原ダンジョンにいる。


 川越ダンジョンは河川敷にあったため、見た感じオープンなイメージだったけど、小手指ヶ原ダンジョンは、ゆるやかな台地に点在する雑木林の中に存在し、ダンジョンに併設された駐車場からは、自然豊かな風景を楽しむことができる。


 今日からは、ダンジョンに行く時には、博士にも同行してもらっている。

 ただし、まだ通信周りの調整が済んでいないので、ダンジョンへ入ったオレたちパーティーの様子を配信するドローンからの映像を、車の中から一方的に視聴だけしてもらう。


 小手指ヶ原ダンジョンにも、ダンジョンのアイザワ専用ブリーフィングルームはあるので、ドローン用通信関係機材を設置してもよかったんだけど、今後は様々なダンジョンへ進出する予定ということで、通信機材を搭載した車を一台用意してくれた。

 トラックベースで作られたこの車は、一見キャンピングカーに見えるが、中は居住スペースの代わりに、通信関係機材がぎっしりと詰まっている。すべての機能を把握するには時間が掛かりそうだな。

 しかし、これがサポートっていうやつなのか。さすがはダンジョンのアイザワ。

 藍澤代表に感謝だ。


「では、私はこの車の中から、皆さんの動向を拝見させてもらいます」

「ああ、博士。オレたちの動向もそうだけど、機材の使い方を試して、機材の操作や機能の把握を優先してほしい」

「なーるほど。では、そうさせていただきますね」

「では、アイさん。あとはよろしくお願いします」

「承りました」


 ドレッシングルームで準備を済ませてダンジョン入口へと向かう。

 入口手前のエントランスで、女性陣の到着を待っていると、数組のパーティーが通り過ぎていく。

 通り過ぎていくんだが、必ずオレの姿にギョッとして、二度見した後に通り過ぎていくんだよな。

 今日もいつもと同じサバゲースタイル。やっぱり異質なんだよなぁ。


「ヒカルお待たせ! 難しい顔をしてどうしたの?」

「いやぁ…・・・、待っている間に何パーティーかが通っていったんだけど、通過する時に必ず二度見されるんだよね…・・・。そんなにこの格好目立つのかな」

「それはあれじゃね。何でヒカルっちがここにいるの、的な?」

「そうですわね。すでにヒカル様は有名人でございますから」 

「まあ、有名税ってやつね。私たちも、最近ではかなり注目されているみたいだよ」


 いやいや、有名税って……そんなことはないだろう。

 何とも釈然としないままダンジョンの入口を潜る。ここからは気持ちを切り替えるぞ。


 ダンジョンに入ると、すぐに各自のドローンを飛ばす。

 飛び始めるとすぐに、自分のゴーグルにドローンの映像が映し出される。

 ドローンとのオンライン状況は良好だな。


 今日は初のダンジョンなので、攻撃パターンB、つまりオレが先頭を進むフォーメーションで移動開始する。

 今日の目的は、風魔法のスキルジュエルを集めることなので、1FとB1を周回して、そのスキルジュエルを落とす魔物を狙って討伐していく。1FとB1なら、スケルトン以外なら討伐対象の魔物になる。


 まずは15Mほど進むと最初の交差点に到達。そこを北側に進み、最北のルートへと向かうと、ミクから通信が入る。ゴーグルに搭載された通信機能だ。


『北側ルートに入ってすぐに魔物の気配。数は2。距離は10M』


 早速お出ましか。アンデッドバットならいいんだけどな。

 今回はあえてドローンによる索敵は省いて、北側の通路に入る。

 ああん、残念。ミクが察知した魔物は、残念ながらスケルトンだった。

 10M先をカクカクと足を運びながら、ゆっくりとこちらへ向かってきているようだ。


 小手指ヶ原のスケルトンは、少し意味ありげなスタイルをしているんだよね。

 頭には笠や布を巻き、ボロの麻でできた服を纏い、草履を履いている。まるで昔の農民兵のようなスタイルだ。

 ちなみに武器は二体とも槍を所持していた。


 オレは頭を狙い、引き金を絞る。命中、命中。

 二発とも、見事ヘッドショットが決まり、スケルトンの頭がはじけ飛び、崩れ落ちるように倒れながら、魔石をドロップして消える。

 ドロップした魔石は……残念ながらLv1だった。ドロップしただけ、まあいいか。


 オレたちは次の魔物を目指し、奥へと進んでいく。


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